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    シウト@のんびり

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    シウト@のんびり

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    観葉植物を愛でる独歩くんとそれによりなんだかソワッとしてしまう一二三くんの話。まだ付き合ってない。唐突に思いついたネタ。文章も投稿出来るようになったと見たので上げてみます。書きかけのネタがいくつかあるのでとっとと書き上げたいです。

    #腐向け
    Rot
    #どひふ
    servant

    「おまえの名前借りてもいいか」
    珍しく休日に出かけていた独歩が、左手にぶら下げたビニール袋を掲げて聞いてくる。
    一瞬何のことかわからなくて首を傾げたけど、ビニール袋に印字してあるホームセンターのロゴを見て把握した。
    「なに、また買って来たの?」
    「またって言うな、俺の数少ない趣味のひとつだぞ」
    ちょっと拗ねたように言って、ローテーブルに恭しく置かれたビニール袋から独歩が取り出した観葉植物は、黄色と緑色が混在する多肉植物だ。
    いや、これ絶対俺の髪色と似てるからって名前借りるとか言い出しただろ。
    「別にいいけどさぁ、でも今まで名前なんかつけてなかったじゃん?」
    「ん···なんかおまえの名前つけたら生命力強くなりそうだなって」
    「それは褒められてるんだよね?」
    「もちろん」
    なんだか釈然としなかったけど、その手のひらサイズの「ひふみ」を見つめる独歩の顔がいつになく輝いていたので、それ以上何かを言うのもはばかられた。
    激務が続いて心身ともに疲弊してくると、独歩はよく観葉植物たちに話しかけてるみたいだから、俺の名前がつけられたあいつにも愚痴ったりすんのかなって思うとちょっと面白くて、悪い気はしなかった。
    そう、悪い気は、してないはずなんだ。


    「どっぽ〜おきろー」
    いつものように独歩を起こしに行くと、これまたいつものように布団にくるまって全身から起きたくないオーラを放っている独歩が、うう、とかなんとか唸っていた。
    朝飯出来てるから早くしろよ、と声をかけてドアはわざと開けっ放しでキッチンへ戻る。
    寝起きは悪いけど鼻はいいみたいで、朝食の匂いにつられて起きてくるのがいつものパターン。たまにマジで起きて来ない時もあるけど。
    今日はいつもの方だったようで、盛大なあくびをかましながらのっそり部屋から出てきた。と思ったら、まだ半分しか開いていなかった目がはっと開いて、部屋へ逆戻りしてすぐにまた出てきた。
    その両手にしっかりと「ひふみ」を抱えて。
    日当たりのいい場所が好ましいとかで、日中はベランダへ続く大窓の窓辺に置くことにしたらしい。
    「おはよう、ひふみ」
    先住である大きめの観葉植物の隣にそっと小さなプランターを置いて、指先で掠めるように葉を撫でたあと小さく呟いた独歩の表情が、眠そうなのもあってかひどく優しげというか、甘いというか、とにかくなんだか見てはいけないもののような気がして、慌てて自分の手元に視線を移す。
    なんだろう、なんか気まずいというか、心臓の裏あたりがソワソワするというか。
    なんだこれ?と首を傾げていると、独歩が洗面所に向かいながら「おはよう、どうかしたか?」と同じく首を傾げるので、「んや、何でもない、おはよ」と笑って誤魔化しておいた。
    独歩が支度してる間にご飯と味噌汁をよっそって、おかずと一緒にテーブルに並べる。
    スーツに着替えて「いきたくない」とか「弊社爆発しろ」とか呪いの言葉をブツブツ唱えながら出てきた独歩が、並んだ朝食を見て「うまそうだな」とちょっと顔を輝かせるのを見るのが、俺は結構好きだったりする。
    何でも美味しそうに食べてくれるのも、「ごちそうさま、うまかった」とちゃんと毎回言ってくれるのも、作り手としては作り甲斐があるってもんだ。
    家を出る時間が近付くにつれまたどんよりを背負う独歩を急かしつつ、忘れ物はないか声を掛けて、「よし、今日もどっぽちん男前!いってら!」と背中を軽く叩いて送り出す俺と、「ん、いってくる」と重い足取りで出かけていく独歩。
    いつもと変わらない朝の中でふと視線を向けた先、太陽の光と独歩の優しい声を受けた「ひふみ」は、つやつやと嬉しそうに輝いていた。
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    シウト@のんびり

    MAIKING観葉植物を愛でる独歩くんとそれによりなんだかソワッとしてしまう一二三くんの話。まだ付き合ってない。唐突に思いついたネタ。文章も投稿出来るようになったと見たので上げてみます。書きかけのネタがいくつかあるのでとっとと書き上げたいです。「おまえの名前借りてもいいか」
    珍しく休日に出かけていた独歩が、左手にぶら下げたビニール袋を掲げて聞いてくる。
    一瞬何のことかわからなくて首を傾げたけど、ビニール袋に印字してあるホームセンターのロゴを見て把握した。
    「なに、また買って来たの?」
    「またって言うな、俺の数少ない趣味のひとつだぞ」
    ちょっと拗ねたように言って、ローテーブルに恭しく置かれたビニール袋から独歩が取り出した観葉植物は、黄色と緑色が混在する多肉植物だ。
    いや、これ絶対俺の髪色と似てるからって名前借りるとか言い出しただろ。
    「別にいいけどさぁ、でも今まで名前なんかつけてなかったじゃん?」
    「ん···なんかおまえの名前つけたら生命力強くなりそうだなって」
    「それは褒められてるんだよね?」
    「もちろん」
    なんだか釈然としなかったけど、その手のひらサイズの「ひふみ」を見つめる独歩の顔がいつになく輝いていたので、それ以上何かを言うのもはばかられた。
    激務が続いて心身ともに疲弊してくると、独歩はよく観葉植物たちに話しかけてるみたいだから、俺の名前がつけられたあいつにも愚痴ったりすんのかなって思うとちょっと面白くて、悪い気はしな 1514

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