がたんごとん、列車の音がする。背中の方から光が差しているのか、四角く照らされた足元に2人分の影があり、柱か何かの影が時たま流れ去ってゆく。
隣を見ればオォが座っていた。若干逆光になっているのか、表情はよく分からなかった。でも確かに隣にいる。
がたんごとん、がたんごとん。
行き先は何処だっけと聞く前に目が覚めた。差し込む朝日に照らされた塵がちらちら光って、まだ列車の中で微睡んでいるような錯覚を覚える。
結局、自分とオォ以外誰も居ない列車は一体何処に向かっていたのだろうか。
……何処でもいいか。オォが隣に居るならきっとそれは悪くない未来だろう。そう思った。