シスターはお見通し金曜午後九時半。エンジェルズシェアの二階。外へと続く扉から出たバルコニーで手すりにもたれている影が二つ。ロサリアとガイアだ。
「星の数ほど人はいるのに、なぜあなたとこんな辛気臭い呑み方をしないといけないのかしら?」
手すりに背を預け右の空を見上げると天の川が流れていて、ロサリアは城内からの夜空を懐かしく思った。星を肴に赤ワインを口にする。
「奢るって言ったろう?誘いに乗ったのはお前だぜ」
ガイアはそう返して、シードルを瓶口から直接飲む。瓶口を押さえるように右手で持って両手を手すりの外に投げ出し目を瞑った。
「ハァ、そうね………それで?オーナー様からの“デートのお誘い”、断るの?受けるの?どうする気よ」
ロサリアは空からガイアへと目線を移す。
797