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    光さんのところで蛇さんがよく寝てるって話

    君はこもれび最近後輩が俺の部屋で寝る。
    後輩、っつってもスネークのことなんだが。スネークが俺のことを先輩と呼ぶので必然的にこいつが俺の後輩になっているというだけのことだ。そのスネークが、俺の部屋で寝る。

    この前の作戦で組んで以降、スネークが俺の部屋に来る頻度が増えた気がする。俺がいない時に勝手に入り込むような真似はしていないようだが、気づいたらもう部屋の中にいて声を上げたことも何度かあった(スネーク本人から「入口にセキュリティつけた方がいいっすよ」と指摘されてしまった)。入ってきたスネークは大体アーマーを外してくつろいでいるか、俺のアルバムを頬杖ついてめくっているか、サーチスネークを磨いているかしている。あいつは割と沈黙が苦にならない方らしく、俺も気が向かなければずっと黙っていたりぼんやりしていたりするので、俺はあいつの来訪はそんなに嫌ではない。むしろ気が楽だとすら思っている。

    そういえば最初の頃は全力で避けられていたんだったな、と座布団もクッションも無視して横たわっているそいつの機体を眺めながら思い耽る。随分懐かれたものだ。スネークが抱えているままのアルバムを回収して開かれていたページを見た。雨粒に飾られた蜘蛛の巣の写真。うん、よく撮れてる。俺はアルバムを閉じて棚に仕舞い、折角なのでスネークの機体を観察させてもらうことにした。元工業用だから機体のつくりそのものはそんなに頑丈ではないが、よくよく見ると脚部の人工筋肉とかがタイツの下に透けて見える。へー、案外しっかりしてんだなあ、まあ博士に改造されたんなら当然だな。
    多分、今だったら撮っても文句は言われないだろうな。
    棚からキヤノンを取って来ようとして、シャッター音で起きそうだなと思い直して、最近入手したスマホを手に取った。UFO撮ったのをテレビに送ったときの報奨金で買ったやつ。こんなに薄っぺらなのに結構カメラの性能がいいんだ。暗い中でもハッキリ撮れるし、とりあえず記録に残したいだけならそれでいい。

    足音を立てないようにそいつの脚側に回り込んで、構図をちょっと悩んでから、撮影ボタンを押す。申し訳程度の電子音。プレビューを確認して満足した俺は、そのままそれをスマホの待ち受けに設定した。デフォルトで設定されているパステルカラーの靄画像よりよっぽどいい画だと思った。


    *****


    「で、それがこの写真」
    「えっ!? 猫じゃない……」
    「スネークだっつってんだろ」
    「言われてないぞ」

    そうだったっけ、と顎の先を掻く。
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    wakabagreen_x

    MOURNING岩男二次創作 拙宅壊発破のつづきを書こうとしていたらしきもの 途中で止まったまま放置されててどんな話にしたかったのかわかんなくなってたので供養
    シミュレーターは白昼夢に似ている。

    今回の依頼は山中の大岩の発破解体だった。下手な崩し方をすれば山肌ごと大規模に崩落するそれを、うまい具合に岩の部分だけ発破で壊してしまおうという試み。B.B-BOMBカンパニーのブラストマンならできるはず、と名指しで注文が入ったそれに、失敗は決して許されない。
    だから事前に入念なシミュレーションが必要だった。数十万のポリゴンで形成された山と岩のデジタル模型の内部に手入力でダイナマイトの位置を設定していく。数ピクセルの差が数メートルの誤差になるそれを何度も試行して、ブラストマンは決行のコマンドを打ち込んだ。
    ──爆発のアニメーションは山のリアルな再現度には似つかわしくないチープさだった。無理もない、煙の物理演算は面倒なので。それにこれはシミュレーションだから、リアルすぎなくても目的は達せられる。音声も実装されていたならガラガラと音を立てていそうな勢いで岩がバラバラになっていく。危険領域への崩落はなく、土砂の散逸も想定内。ブラストマンはそれを記録してから、データを発破前の状態まで巻き戻す。そこから天候や風速なんかの数値を弄ってから、もう一度発破の決行。……このデータを元にして現実の山に手を加えれば、そこでもシミュレーター通りの結果を得られるはずである。
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