最近やけに廃棄物の中にロボットが多いなと思っていたら、何やら新しい法律ができたらしい。
ロボットに「期限」を設け、量産機を中心にして新陳代謝を発生させようという狙いで施行されたらしい法律に則って、まだ十分に働けそうなロボットが次々廃棄されてくる。ロボットが人間の都合に振り回されるのは世の常みたいなもんではあるけどちょっとこれはもったいないんじゃねえかな、とダストマンは思った。
今日もまた、彼の働く廃棄物処理場にスクラップが運ばれてくる。
「ロボットの霊」
「そう」
「デマでしょ」
「そう思うんだけどねえ」
処理場の管理人が禿頭を撫でつけながらぼやく。毎度思うのだがあれは何を撫でつけているのだろう、乱れる髪もないというのに。
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