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    ※サンジとゾロに取り合われる
    ※どっちつかずオチ

    『剣士とコックに愛される話』 「おい、お前は俺と来るだろ。行くぞ」
    『うるせえ!🌸ちゃんを困らせてんじゃねえ!』

    なぜこの2人は私を挟んで言い争いをしているのか…誰が答えがわかる人がいたら大至急教えて欲しい。

    事の発端は航海中、補給の為に次の島に立ち寄ろうと言う話になった時だった。


    ――――――――――――――――


    『今日も🌸ちゃんは、とっても綺麗だね。太陽が嫉妬する程の眩しさだ』

    そんな🌸ちゃんにはこちらを…そう言ってこちらに鮮やかなブルーシロップのドリンクを差し出してくれた彼の名前はサンジくん。
    いつも物腰が柔らかで私が困っている時には必ず相談に乗ってくれるしとにかく気配り上手。今だって甲板でぬぼぬぼと読書をする私の為にこんな綺麗な飲み物を持ってきてくれる。このドリンクを見れば分かる通り彼の料理の腕はピカイチで、彼の料理を初めて口にした瞬間私はそれ以来他では満足できなくなってしまった。
    そんな完璧な彼でも弱点はあって、何を隠そう女性に弱い。弱いと言っても苦手、というのではなくて単に甘い言葉を囁きメロメロになってしまうという何とも言い難い話なのだけれど…。でもそんな所も可愛げがあるし他人に優しい彼らしいと思う。


    ありがとうサンジくん、そう言って受け取ったドリンクに口を付けるとその爽やかな甘さについ口元が綻んでしまう。それを目の前で見ていた彼は何やら幸せそうにこちらを見ている。は、恥ずかしいからあんまり見ないで…?その視線に気恥ずかしくなりそう言うと『はっ…!ごめん、つい…🌸ちゃんの笑顔が可愛すぎて…』と顔を赤く染める彼。……なんだかこちらまで余計に恥ずかしくなってしまった…。


    なんだかドキドキしながらストローを咥えちびちび喉を潤していると―

    「おい、俺にもなんか寄越せよ」背後からそんな声が聞こえた。
    なんとも気恥しいこの空気を断ち切る様にそう言ったこの声の主の方に振り返ると「なんだ?顔あけえぞ?熱でもあんじゃねえのか」と頬を手の甲で撫でられた。

    彼はこの船の戦闘員、ゾロ。この男らしい手の通り凄く強くて戦闘になると恐ろしく頼りになる。私も彼にはいつも助けられてばかり。本人も最強の剣士になるのが目標で毎日のようにトレーニングをしているしとにかく努力家だと思う。
    あまり口数が多い訳では無いけれど黙って傍にいてくれる彼の隣は結構心地良かったりする。昨日も筋トレをしている彼の隣に座って話をしていたら、ついうっかり寝てしまった。でも起きた時には何故か彼の肩に頭を乗っけていて、しかも彼の方まで寝てしまっていたから驚いた。
    たまに方向音痴というか迷子気質な所もあるけれど、何事も直感で生きていそうな彼だし、こういう時に関しては彼を助けてあげられるのが私としてはちょっと嬉しかったりする。


    大丈夫だよ、ありがとう…私がそう彼に答える前に『ああ!?お前にやるもんはねえよ!それより🌸ちゃんと距離が近いんだよ、離れろ!』とサンジくんがゾロにしっしっと鬱陶しそうに言った。「テメェこそ何ニヤついた顔してこいつの傍にいやがる。…お前も嫌ならはっきり言わねえとこいつ分かんねえぞ?」と今度はゾロが私に同情するような目を向けてきた。…なんでゾロも煽るような事を言うんだろう…。『何ぃ!?🌸ちゃんはどこぞのマリモと違って優しいんだよ!』「うるせえな、テメェは🌸じゃねえだろうが、なんでテメェが答えんだ」…ああ…ほらまたこうだ…。

    なんというか、最近この手の言い合いが多い。ゾロと2人の時はサンジくんがどこからか凄まじい早さでとんでくるし、サンジくんと一緒の時はいつの間にかゾロも後やらやってくる…今みたいに。理由はよく分からないけれど多分私が弱っちくて頼りないからだと思う。優しくて他人の事は放っておけないそんな2人だからこそ、きっとこうして私が寂しくないように一緒にいてくれるんだなあ…と、そう思う。

    まあ、毎日この言い争いを聞くのも流石にキツいのだけど…。


    ― あ、そう言えばもう次の島着くよね?
    いい加減私を挟みながらの言い合いもやめにして欲しくて話を変えようとそんな事を言ってみる。すると2人は「『ん?』」と同時にこちらを見た。…変な所は息ぴったりだな…。『あ、ああ…そう言えばそうだね。🌸ちゃんも見張り番じゃ無い時は島に降りるだろう?』サンジくんが険しい表情を一変させにこりと笑った。うん、そうだね、欲しい物もあるし…洋服とか、そう言った私に「ん…」と小さくゾロが呟いた。「それなら俺が荷物、持ってやってもいいぞ」それぞ当然とばかりにいつも通りの声色でそう言うゾロ。私としては願っても無い提案、1人で知らない街を回るのも心細いし彼と一緒なら色々安心できる。

    本当に?ありがとう…私がそう口を開こうとするとサンジくんが被せるように『あああん!?なぁんで🌸ちゃんがお前と一緒に行くんだよ!🌸ちゃんの荷物持ちは俺がする。な?🌸ちゃん!』と怖いくらい必死に言ってきた。…何だろうこの同じような会話のループは…。「俺が先に言った。お前は次の船出までずっと見張り番してろ」呆れたような口調でそういう彼に『はぁ~!?お前がしてろよどうせ迷子になって🌸ちゃんに迷惑掛けるだけだろうしよ!』とまた突っかかるサンジくん。
    ……ダメだ、私にはこの2人の言い合いを止める術が無い。…ダレカ…タスケテ…、最早2人で街を回ってくればいいのでは?と私の思考が変な方向にいった瞬間…

    「ちょっとお!アンタ達まーた、🌸の事で言い争ってんの!?煩いのよォ!!」
    と言ったナミの鶴の一声が入った。

    その大きな声にサンジくんもゾロもぴたっと言い争いをやめると「テメェが引かねえからだ」『その言葉そっくり返すぜくそマリモ』とぶつぶつ言いながら一時休戦になった。そんな中私は、よし、今だ…!とすくっと立ち上がると、そ、そんな訳で次の島も楽しみだね、何があるのかなあアハハ…!と訳の分からない事を言いながらするする~っと2人の間を抜けた。…ナミがいてくれなかったらあの言い合い終わってなかっただろうなあ…。苦笑いしながらそんな事を思った。


    ――――――――――――――――


    そんなこんなしていた翌日にはもう船は島に着いていた。ナミやロビンの話によるとこの島は結構栄えていて人も多く街もお店が沢山並び大層な活気らしい。うん、楽しみだな。よーし、行くか!とウキウキしながら船を降りようとすると後ろから「🌸『🌸ちゃん』」と声を掛けられる。…あ、そう言えば…。グギギ…とゆっくりと後ろを振り返ると…。

    「おい、お前は俺と来るだろ。🌸、行くぞ」
    『うるせえ!🌸ちゃんを困らせてんじゃねえ!』

    ―またそんな事を言っている彼らがいた。

    「テメェには聞いてねえ、🌸に聞いてんだ」
    『ああ!?🌸ちゃんは俺を選ぶに決まってんだろ!』

    も、もうどっちでもいいです…。

    「テメェじゃ🌸に何かあった時どうすんだ、何も出来ねえだろ」
    『はぁ?お前こそ🌸ちゃんの事ちゃんとエスコート出来んのか?』

    早く…早く終わらせて…。

    時間が…時間が勿体ない…。そんな事を思っていると昨日に引き続き救世主が現れた。

    「🌸?こういう時は第3の選択肢という事で私と一緒に行くのはどう?」

    ロ、ロビン…!いつもキラキラと麗しいけど今はいつもより一層輝いて見える…!女神だ…!
    い、行く行く!そう言って彼女の腕をとるといまだ言い争いをしている2人を置いてそそくさと船を降りる私。申し訳が無いけど今は時間を有効に使いたい。


    「2人とも貴女が大事なのよ、分かるでしょ?」歩きながらそう言ったロビンに、それは、うん…と頷くと「本当に?ちゃんと意味が分かってるの?」とよく分からない返しをされた。大事ってそれは…一応頼りないかもしれないけど私もこの船の仲間だし…そういう意味では私だって彼らの事を凄く大事に思ってる。だからそういう意味で彼らも私の事を大事にしてくれてるのかなって…そう思う。そんなような事をロビンに言ってみると何故か溜息をつかれた。

    「…これじゃあ2人の喧嘩も終わらないわね」

    何だか遠い目をして言う彼女に益々頭にはてなが浮かんでしまう。

    だって2人は大事な仲間だもん。優しいサンジくんと男らしいゾロ。どっちも私の大切な……。


    ****************


    『🌸ちゃんは俺の事の方が好きだ!』
    「んな訳あるかよ、俺に決まってんだろ」



    私の大切な……。





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