メリークリスマス! ブラッドリーと一緒に買い置きの食料や生活用品を調達しに出ていた時のことだ。レジの程近くにカラフルでにぎやかなカードが並んでいるのを見つけた。
一枚手に取ってみて、ぱか、と開くとサンタやトナカイが飛び出し式になっているそれはもちろんクリスマスカード。そういえば、この店も周りの店も何なら通りだってオーナメントや電球で飾り付けされている。世間はもうクリスマス一色だ。彼と過ごすようになって、関係がちょっと変化して、それから一緒にいる時間が一段と増え始めてから初めての冬がやって来ようとしていることに気付く。
つい浮かれてしまった僕はカードを一枚一枚物色し、何枚かカゴに入れる。でも一つだけどうしても決まらなくて、あれも違うこれもどうかな……と悩んでいるうちに随分時間が経ってしまったらしい。いつまでたっても会計を済ませない僕を不審に思ったのか、ブラッドリーがすぐ後ろまでやってきてトントンと二の腕のあたりを叩かれる。ハッとして顔を上げたら、体の大きな彼は身をかがめて僕の手元を覗き込んでいた。
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