そしてメスになる 前編① 今日も平和なグランサイファー。
ルナールが自室で原稿に勤しんでいると、背後に気配を感じた。はっとして、机の上の原稿を全て隠す。そうする間にも、部屋の中に朱の扉が豪快に開き、中からウィルナスが元気良く飛び出す。
「到来、到来!」
「あっ、い、いらっしゃい! 今日も絵物語を借りに来たのかしら?」
ジャージ姿のルナールが尋ねると、ウィルナスは「応、応!」と頷き、数冊の本を差し出す。それはウィルナスが借りていた絵物語だ。
「いつも実に面白い絵物語ばかりだ! ヒトの子の創作は多彩で、興味深い! 他にも良いものがあるなら、是非読ませやがってくれ!」
「え、ええ! まだまだいっぱい、オススメがあるのよ。ちょっと待ってね……」
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