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    ranmao_cos

    @ranmao_cos

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    ranmao_cos

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    カーヴェのプリンを食べたアルハイゼンと喧嘩して、代わりにカーヴェの好きなケーキを買ってきた話

    #アルハイゼン
    Alhaitham
    #カーヴェ
    Kaveh
    #アルカヴェ
    haikaveh
    #ほのぼの
    heartwarming
    #小説
    novel
    #喧嘩
    noise

    素直じゃない君 アルハイゼンと些細な事で、喧嘩をしたカーヴェ。理由は、簡単だ。冷蔵庫に取ってあった、カーヴェのプリンをアルハイゼンが食べてしまったのだ。

    「おい、なぜ食べた!あれは、僕がデザートとして食べようとしたプリンだったんぞ!!」

    アルハイゼンは、そんなカーヴェの怒りを聞きながらも本からは目を離さずに言う。

    「君の名前が無かった」

    「無くても、食べはしないだろ!それに、僕はちゃんと名前を書いた!」

    「どこに?」

    「……ぐ、あ、いや、それは……」

    カーヴェは言い淀む。ただ冷蔵庫の中にプリンを置いてから自分の名前を書き忘れたことを思い出したのだ。だが今更それを素直に告げることなどできはしない。ああ、最悪だ。このままアルハイゼンが機嫌を損ねて、カーヴェのプリンが返ってこないのであればなおさらだ。

    「だから言っただろう。名前を書いておくんだと」

    「う、うるさいな!だいたい君はいつも僕の食べ物を勝手に食べるじゃないか!むしろ今回食べない方が不思議なぐらいだ!」

    もはや自分でも何を言っているのかわからないぐらいにカーヴェは動揺していた。アルハイゼンもこちらのあまりの取り乱し方に驚いたのか、ようやく本から目をあげてこちらを見た。

    「……君は落ち着きがなさすぎる。もう少し、静かにできないのか」

    「う、うるさいな!僕のプリンを勝手に食べた君が悪いんだろ!」

    「君の名前が書いてなかったからだろ?」

    「それはっ……。もういいよ!君が僕のプリンを食べたことなんて気にしてないから!」

    完全に虚勢である。カーヴェは、アルハイゼンが追及してこないうちに部屋を出ようと早足で歩き出す。どうせ気になんてしてないにきまっているんだと心の中で毒づきながらドアへと向かうと、後ろから声がした。

    「待て、カーヴェ」

    名前を呼ばれれば無視するわけにもいかず、カーヴェは渋々振り返る。と、アルハイゼンがこちらへとやって来てカーヴェの1番好きなケーキを手渡してきた。

    「……え?」

    「なんだ?いらないのか?」

    「……いる」

    「ならいい」

    そういうと、アルハイゼンは再び読書に戻ってしまった。カーヴェはしばらく呆けていたが、慌てて部屋から出て自室へと戻った。そしてそのままの勢いでベッドの上に倒れ込む。

    「な、なんだ。あいつ」

    アルハイゼンの不意打ちに驚いたカーヴェは、手にのせられたケーキの箱と机の上にある1冊の本を見て、さらに驚きの声をあげた。

    『君が好きな店のケーキだ。一緒に食べたいと思っていた』

    リビングへと戻ってきたカーヴェが机の上のものを見ると、そう書かれた小さな手紙が置いてあったのだ。

    「……ずるいじゃないか、こんなの……」

    カーヴェは心の底からそう思った。いつもはそんなに優しくしてくれないくせに、いきなりそんな風にされたら調子が狂ってしまう。これだから、こいつは苦手だ。カーヴェはそんなことを思いながら、しかし先程よりも機嫌がよくなっていることに気づく。

    「まぁ、でも……あいつが買ってきたこのケーキが食べられるのはラッキーだったかもな」

    そう小さく呟きながら箱を開けると、中には美味しそうなイチゴのショートケーキが入っていた。それを見たカーヴェは思わず笑顔になってしまう。きっとアルハイゼンも自分が好きだと思って、買ってきてくれたのだろう。そう考えるとなんだか胸のあたりがくすぐったいような気持ちになった。
    きっとカーヴェが喜ぶだろうと思ってアルハイゼンもカーヴェが好きなケーキを買ってきてくれたのだ。

    「まったく、素直じゃない奴め」

    そう言いながらも、カーヴェはケーキを食べながら自然と笑顔になっていた。その日食べたケーキの味は、いつもよりも甘く感じられた。

    *****
    それから数日後アルハイゼンが、「プリンを買ってきた」と言ってきた。

    「あの時の?いいじゃないか。丁度、甘いものが食べたかったんだ」

    カーヴェは笑いながらそう言うと、アルハイゼンも小さく笑った。普段笑わないアルハイゼンがこうやって笑うのがカーヴェは好きだった。だから、もしもう一度同じことをされたとしてもきっと許してしまうのだろう。

    「それで?わざわざ君は、またそんなことを言いに来たのかい?」

    「……ああ、これは君だけに買って来たからな」

    「……え?」

    (ああ、ずるい……。本当に、この男はずるい男だ。そんなふうに言われてしまったら、何も言えないじゃないか……)

    「次はないからな」

    「わかってるよ!」

    そう言いながらも、きっとまた同じことがあったら許してしまうのだろう……、と思いながらカーヴェは差し出されたプリンを受け取ったのだった。
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