宝箱を守る理由「なあディルック」
「なんだい?」
決して大きいとは言えないベッドで同じ布団にくるまり、大事そうに抱き締められながらガイアは口を開いた。
「小さい頃の話を掘り返すようであれなんだが…お前さんの宝物って、結局なんなんだ?」
頭を撫でる手が止まる。宝石よりも美しく澄んだ星がディルックをじっと見つめて、予想はついてるんだぜ、と目を細めた。
「モンド全てが宝物、とかだろう?昔から何かと規模がデカいもんな」
何処か寂しそうに、けれどそれで良いとでも言うように笑うガイアの両頬を手で包んで優しく口付けを落とす。唇を離すとガイアは困ったように眉尻を下げた。
「おいおい、今そんな雰囲気だったか?」
「大事な宝物にキスをしただけだが」
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