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    mia_amamiya

    @mia_amamiya
    気ままに書き散らかしたもの置き場です。

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    mia_amamiya

    MOURNING現パロで、兄は三十路過ぎ、弟は二十歳ぐらい。すでにお付き合い済み。
    杏千版ドロライのお題から着想を得たものの、お題に沿ってないことに気付きお蔵入りしたもの(そんなのばっかりですね)
    なので「遠くない未来に」とちょっと被る部分があります。
    あなたのとなり埋もれそうなほどの量の課題を抱え、パソコンのキーボードを黙々と叩く。
    定期試験を翌月に控え、四月五月と様子を見ていた教員達は、こぞって学生に負荷をかけてきた。最近は学内で誰と話していても「あの先生はヤバい」「課題提出締切が早すぎる」と教員達への恨みつらみがひとつやふたつ出てくる有様だ。
    かく言う千寿郎も、必修科目に加え、選択科目、さらには学芸員課程と、取っている単位数は周囲と比べて多めで、今日も深夜までこうして課題に取り組む羽目になっている。だが、こうして忙しい学生生活を送っていると、千寿郎はいつも兄の事を思い出す。千寿郎と同じ年の頃、兄は教職課程を取っていたし、バイトもして、友人達とも適度に遊んで、何より年の離れた弟との時間も極力確保してくれていた。あの頃、「もっとあにうえとあそびたい!」と我儘を言っていた自分のことが、今更ながら恥ずかしい。兄は忙しい日々の中で、最優先と言っていいほど、千寿郎との時間を大切にしていてくれていたことが、今になって漸く理解できたのだった。
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    mia_amamiya

    MOURNING大正軸両片想い杏千。ちょっとだけ流血表現があります。
    EGOIST「あ」と思った時には遅かった。
    打ち込み稽古に使用している木製の打ち込み台が、千寿郎の一撃で細かく割れ、鋭い破片が千寿郎目掛けて飛んでくる。
    ここ数日ミシミシと嫌な音を立てていたので、新しいものを作らなくては、と思っていたのに。やらなければならないことを後回しにするなんて、と反省しているうちに、左眉の上にピリリと痛みが走った。次いで、生温かくどろりとした感触が瞼を伝い、目の前が赤く染まる。
    「……やってしまった」
    情けなく萎んだ声で傷口を抑えると、そのまま井戸端へ向かう。桶に水を汲み、水面に己を映せば、ぼたぼたと赤い雫が指の隙間から垂れ落ちた。痛みに眉を顰めながら傷口を洗い、然程深くはないことに一先ず安堵する。きっと数日もすれば傷は塞がるだろうし、一週間もすれば何事もなかったように跡形もなく消えているのではないだろうか。掌に付着する血に、先日帰宅した兄の身体に新たに刻まれていた傷がまざまざと思い出される。「大したことは無い。蝶屋敷に寄るほどの傷でもなかった」そう言って笑った兄の腕に巻かれていた包帯には、じわりと血が滲んでいた。あの時に千寿郎の胸に走った痛みと比べれば、取るに足らないものだ。
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