ある「元」光の戦士の6.03その2「帰りてえ……」
タタルにお茶を淹れてもらっている最中に、つい小声で本音が漏れる。
「おまたせしましたでっす」
タタルが駆け寄ってきて、お茶とプレッツェルを並べてくれる。
「美味しそうなお菓子ね?」
ぴょこんとフィーネの服のフードから頭を出したフェオが、さっそくプレッツェルに手を伸ばしていた。
「夢の中に出てきた妖精さんでっす……!」
タタルが目を輝かせながらフェオを見つめている。
「お話するのは初めてね?」
フィーネはフェオにはたびたび、第一世界から原初世界への手紙や伝言を頼んでいる。タタルとも初対面ではないのだ。
「その羽根は飛べるのでっすか?」
フィーネにとってはフェオは身近な存在になりすぎているが、タタルからすればピクシーは初めてみる存在だ。フェオもまた、クリスタリウムでは当たり前で誰もしない質問に興味深そうに答えていく。
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