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    珠丘(たまおか)

    @99_tamaoka

    ごっちゃ煮。
    創作のネタ(プロット、小話)など。
    オリジナルの小話が多め。
    🔞も中には混じってます。
    らくがき倉庫けん墓場。

    成人向けとかクロスオーバー系はこちらに。
    反応があると、やる気が上がります(๑•̀ㅂ•́)و✧

    CBM /2551 /328

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    刀剣の小話。うちの創作審神者(女子大生)創作審神者についての掘り下げ話し。ちょい長めでささやかな日常のお話。誤字脱字はいつものこと!

    心の埋め方。時々、刀剣の彼等が羨ましく思う。

    「憂は晴れそうか?」
    頭二つ、三つぐらい差がありそうな静型薙刀が見下ろしながら私に言う。その顔は不安に歪んでいる。
    そうさせているのが、自分であることに審神者として不甲斐なさをひしひしと感じる。
    私は首を横に振り「わからない」と返す。
    今朝、とても不快な夢を見て、最近抱えるモヤモヤとする不可解な感情に押し潰れそうになった。
    大学の授業がお昼開始やリモートの時、時折と静型薙刀に薙刀の接待稽古をつけて貰っている。
    中学高校とたまたま薙刀部にいたので、運動不足対策も兼ねて接待をして貰っている。
    向こうも向こうで、いい加減の練習になると付き合ってくれる。
    私が審神者就任して、早々と顕現して一気に戦力増加してくれた。

    刀剣男士なので顔が綺麗だが、どこか女性っぽく、6年弱扱ってきた薙刀とも関係が深いのと、向こう自身が私に対して「こんなに小さい主で大丈夫なのか!?壊れないか?!」とおっかなびっくりと接したのがおかしくて、接することができる数少ない男士の一振りだ。

    「主はよくやっていると俺は思っている。」
    「・・・そうかなぁ。口実で大学に行くって言って、行ってるけどそれ以外は本丸にいて、色々なものから逃げるだけだよ?」
    自分が今まで置かれていた環境から逃げられるなら何処でもよかった。審神者のスカウトは驚いたが、実家から、私の過去の情報を消して時の政府に頼んで、新しい身分を作って貰って、私はここにいる。
    「顔のいい男が苦手と言いながらも、その刀の実力を聞いて部隊編成、遠征など考える。それこそどこぞのヤツのように馴れ合うことは少ないが、現時点でどの刀も折れることなく過ごしている。それはすごいことじゃないのか?」
    「たまたまだよ。たまたま。顔のいい男が苦手だし嫌いだけど、みんなの事自体は嫌いじゃないからね。折れないで済むなら折れないで欲しいもの。失うのは辛い。」

     心底にくてて、嫌いで、心に大きな傷になったのに、心穏やかに過ごせるようになると、当たり前のようにいた存在がないことに、恐怖が消えると、次第に心寂しくなる。無くなってよかったはずなのに。
    家族も、私の人生の半分を振り回した顔だけはいい幼馴染もいなくなってよかったはずなのに。

    「加州に相談は?」
    「それはできない。」
    だめだ。それはだめだ。それで原因を何度も暗殺しようと、安定と堀川国広が動いて何度も止めた。初めは初期刀の加州も参戦したが、困る私の顔に免じてもあって止める側に回ってくれた。古い過ぎ去って過去の歴史ではない。まだ流れてる歴史を変えるわけはいけない。
    変えるには、それ相応の対価が必要なのだ。
    「人の心って厄介よね」
    「それは同感だ。」
    「お?静さんも何か悩みが?」
    「心もそうだが、体の悩みだ。」
    「体?」
    「あぁ。腹が減る。背丈で本丸で頭をぶつける。布団も特注。短刀たちが視界に入らなくて、ぶつかることもある」
    「身長あるあるネタね。」
    長身あるあるネタに、私は吹き出して笑う。これだけ背丈があれば、そりゃぁ大変だ。
    「主との稽古も最近は慣れたが、初めの頃は加減が難しくて大変だった。」
    大怪我はしなかったが、お互いの加減がわからず、ぶつかり合いで静さんの力に弾かれて、その日は一日手が痺れるたのはいい思い出。もちろん、初期刀の加州に怒られた。
    「そりゃぁ、すみません。なかなかいませんもんね、刀剣男士と手合わせしたい審神者とか。」
    「だが、退屈はしない。我が主は、少々おかしな性格だが勤勉で努力家、気配りのできたいい主だ。」
    「待って、やめて、褒めてもなにも出ないけど」
    私は両手で顔を押さえる。静さんとの会話で稽古で引いた熱が、ブワッとぶり返し顔が赤くなる。
    静さんがくつくつと笑う。
    「さっきから、時折と褒めるはなに?」
    「いや。俺は果報者だなっと。」
    「はい?」
    「本丸で主と顔を合わせられないものは多い。数少ないうちの一振りで、稽古も出来て、こうして色々な顔を見れる。近侍でもないのに役得とはこれのことだな。」
    「うわー、もの好きぃー!」
    「我が主は、自分の価値が本当にわからんのだな。」
    「私はただ、バグ並みの霊力で審神者の適性があっただけよ。それ以外はないわ。」
    顔をぱしんと叩いて、ニヤけ顔を治して静さんの顔を見る。見上げたその顔は満足そうに微笑んでいる。
    気を許しているが、やはりイケメンは眩しいし、苦い思い出が出る。つい眉間に皺がよる。
    途端に、静さんは目を丸くして大きく笑い、しまいにはお腹を抑えて笑う。
    「その百面相も悪くない」
    「百面相?そんなに私の顔って変わる?」
    「あぁ。本当に退屈しない主だ!」

     ゲラゲラと笑い始める静さんに呆れていると、稽古場に誰かが来る足音がする。距離が近づくにつれて話し声がする。
     声は聞き慣れた声だが、2人の声にヒィッと背筋が伸びる。

    「お。また変わった」
    「いや、ほら、慣れたは慣れたんだけど、無駄に顔がいいから。やっぱり警戒が出るのよね。」
    「彼らはご贔屓では?」
    ご贔屓。私と直接会うのが許されている刀達の中には、グループみたいなのがいる。
    それは私が中学高校と好きで好きで拗らせた、新撰組と縁をもつ刀達。

    「いたいた、あるじさーん」
    「おぉおぉ、今日は怪我を負ってねぇみたいだなぁ!」
    土方歳三の刀、堀川国広と和泉守兼定。堀川くんは大丈夫なのだが、問題は兼さんだ。これが顔がいい。つい逃げ腰になる。
    二振りに続き、沖田総司の刀であった大和守安定が「あるじー、朝ごはんの時間だよー!」と。その隣に並ぶ、我が本丸の初期刀で近侍の加州清光が「汗で体を冷やしてない?タオル持ってきたからちゃんと拭いてね。」っと、私と静さんにタオルと水が入ったペットボトルを差し出す。お互いに「ありがとう」と言い、それを受け取る。
    私の事情を知ってなのか、近藤勇の刀であった長曽根虎徹がみんなの後ろに達、穏やかな顔でこちらを見ている。

    「そら主、ご贔屓揃ってお迎えがきたぞ?」
    彼らは総じて、うちの本丸ではご贔屓と言われている。
    特に兼さんと曽根さんは、他の刀達からは羨ましがられてるらしい。これは別の話で言うが、二振りと初めてあった時は、それはそれは大変な思いをした。けれど、憧れた人たちの刀だ。袖になんて出来ない。そこは根性でなんとか頑張ったが、やはり少し警戒してしまう。

    「ご贔屓、ご贔屓って他の奴らは言うけど、まーだ、俺だって警戒されてんのにさ」
    拗ねた顔の兼さんの後ろで曽根さんが笑っている。ご理解ありがとうございます、兼さん、曽根さん。
    「…やっぱり、仕留めといた方が良かったですかね?」
    「もういいってば、堀川くん!」
    笑顔で物騒なことを言わないで欲しい。つられて安定も「なになに?僕も一緒にやりに行くよ」とまたしても物騒なことを笑って言う。
    「ヤメテクダサイ」
    「2人とも、その話はもう終わったこと。主を困らせない!」
    稽古場に明るい声が響く。
    その声に、ぽっかり空いてい寒かったな何かが消えて、胸が暖かくなる。
    この暖かな日々がずっと続いてほしい。叶うなら、これが当たり前になって、塗りつぶして欲しい。



    特にオチもなにもない。
    女子大生審神者について掘り下げてみようかなーっと思って書いた話です。
    兼さんと曽根さんと初めての話も書きたい。
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