「あーー、肩イテェ……」
鍛錬に熱中するあまり、少々酷使しすぎた腕を労わるように強めに揉む。
いつもなら誰よりも早く鍛錬場に来て剣を振っているハズの同僚でもいてくれたら、程々のところで止めてくれたかもしれないが、今日はまだ一度もソイツの姿は見ていない。
チラリと時計を見てみると、朝の集合時間はとっくに過ぎていた。
……コレはまたいつものアレだろうか。また上のヤツらから雷が落ちてくるだろうなぁ、と憐れんでいたら。
「どいてくださーーーい!!」
聞き覚えのある声に続いて、誰かが盛大に転んだ音が響いた。
……間違いない。クリックのヤツだ。
「いたた……」
「大丈夫ですかクリック君?ほら、私の手をとってください」
「うぅ……、すみません」
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