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    ha_na_sha

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    ha_na_sha

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    マロリク▷お互いに甘やかすりつレオ

    書いてるうちになんかよく分からなくなってしまいました……読んでてお題に沿ってないと感じたらすみません🙇‍♀️年齢設定はないですが同棲してます あとりっちゃんがレオぴのことレオくんて呼んでます

    「リッツ!おかえりっ」
    仕事から帰宅して靴を揃えて家の中に上がったところで、手前にあるリビングのドアが勢いよく開いて柔らかなオレンジが顔を覗かせた。作曲中だったら邪魔になると思って極力音を立てないように帰ったつもりだったけれど、どうやら丁度暇をしていたようで耳敏く俺の帰りを聞きつけて飛んできたようだ。
    自他共に認める天才作曲家の彼は作曲に集中すると基本的に周りの音が聞こえないらしい。でも、今みたいにそうじゃない時は一体どこまで聞こえてるんだろう。玄関に鍵を差し込む音、それとも部屋に近づいてくる靴音とか。もっと前、エレベーターがこの階に到着する音すら分かったりなんて。もしそうだったら、誰かがエレベーターを使う度に俺が帰ってきたのかとそわそわしていたりするのかもしれない。そう思うとかわいくて自然に頬が緩んだ。
    なんてことはない、8時間ぶりの再会。わざわざ玄関まで出迎えてくれるのは少し大げさ。それでも、わんこみたいに俺の胸に飛び込んでくる彼にしっかり嬉しくなってしまっているからされるがままに抱きつかれておく。
    「ただいま、レオくん」
    「ん!えへへ、おかえり。お疲れさま」
    2回もにこにことおかえりを言ってくれるレオくんはとっても機嫌が良さそうだ。そのままおかえりのキスをするように首に腕を回されたから慌ててうがいしてからね、と遮れば少し目を丸くしてからにっこり笑っていいこと頭を撫でてくる。
    「うんっ、うがい手洗い大事!よしよし、リッツはえらいな〜」
    嫌ではないけど帰って早々小さい子にするように接されてはちょっと恥ずかしい。甘やかしたい気分なのかな。今日は俺が1人での仕事でレオくんはお休みだったから、働いてきた相手を甘やかして労ってあげたい気持ちは分かるけど。
    「さみしかった?」
    洗面所までくっついてきたレオくんに手を洗いながら聞いてみれば、鏡越しに一瞬考える素振りを見せた後口を開いた。
    「おまえが早く会いたいって言うから、疲れてんのかなって……」
    「あぁ、なるほど」
    一見答えになってないようだけれど、レオくんの言葉を脳内で補填してみれば合点がいく。帰宅前、俺はいつも通り今から帰るから何か買ってきてほしいものがあったら言ってと連絡をいれて、それにレオくんが大丈夫と返してきたのに更に分かった、すぐ帰るね、早く会いたいと返事をしたのだ。そんなこと毎回言ってるわけじゃないから、それを見て俺が仕事で疲れたから早く会って甘えたいと思ってると解釈して期待に応えてくれようとしたのだろう。自分がさみしかったわけじゃないからそこは心配しなくていい、ということらしい。だいぶ言葉足らずだけど理解できるから別に文句はない。
    「あっ、でもおれも会いたかったぞ?朝話せなかったし!」
    「ん〜……知ってた……」
    「ん……?」
    しっかり手洗いとうがいを済ませて俺からレオくんを抱き寄せる。すぐに目を閉じてくれたのを見て軽く唇を重ねれば少しだけレオくんの肩が跳ねた。
    「寝ぼけてたんだねぇ……」
    今度は俺の方がレオくんの頭を撫でればきょとんとした顔で見つめてくる。
    「えっ?おれが……?寝ぼけてない、起きてるぞ?」
    「ううん、今じゃなくて朝のこと。ちょっとだけ話したんだけど覚えてないでしょ」
    レオくんがむむ、と眉を寄せる。思い出そうとしてるみたいだけれど、きっとどれだけ頑張って考えてももう記憶にないだろう。
    「おれ、なんか変なこと言ってた……?」
    暫くしてやっぱり何も心当たりがなかったのか、今度はへにょ、と八の字に下がった眉で伺われる。
    「別に変なことじゃないけど……朝俺が家出る前に行ってくるよって声かけたらやだって手離してくれなかったから」
    「へっ!?」
    「お仕事だからごめんねって言ったらじゃあ早く帰ってきてよ〜って」
    「えっ……あ……そっ、それは変なことだろ!?」
    レオくんの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
    昨晩の余韻でも残っていたのか、珍しくとっても甘えたな感じだったからきっと眠くてあんまり自分が何を言ってるかも分かってないんだろうとは思っていた。多分俺が出かけた後二度寝から目覚めたらもうすっかりこのやり取りを忘れているであろうことも。けれど、万が一まださみしがってたらかわいそうだから俺も早く会いたいよと伝えておいたのだ。結局予想通り何も覚えてなかったみたいだけど、まぁ俺だって1秒でも早くレオくんが待ってる家に帰りたかったし。
    「……もしかして嘘?」
    「ふふ、ほんと。でも寝言ってことにしておくから気にしなくていいよ」
    よっぽど恥ずかしかったのかやや潤んだ目が嘘であってくれと訴えていたから努めて優しく返してやればうう、と小さく唸りながらぎゅっと抱きつかれる。
    「ごめん……」
    「何が?俺としてはレオくんのかわいいとこが見れて満足だけど」
    「かわ……、で、でも困っただろ」
    「え〜……?レオくん、知らないんだ?」
    何を?という風に少し首を傾げてみせるレオくんの頬に触れる。
    「俺、レオくんがわがまま言ってくれるの結構好きなんだよねぇ」
    「……めんどくさくないの?リッツ、あんまり人のお世話するの好きじゃないじゃん」
    「まぁ、人のお世話するのはね。疲れるしあんま得意じゃないけど……でも、恋人のわがままは別。なんでも聞いてあげたいって思うくらいにはレオくんのこと好きだよ」
    触れた指先からはっきりとレオくんの体温が上がったのが伝わって、分かってくれたなら良かったと笑えば少し不服そうな目で睨まれる。林檎みたいに火照った頬をつつきながらどうしたのと聞けば小さな声でおれだってそうなのに、となんだか悔しそうに返ってきた。
    「そっか……う〜ん、じゃあ今日はレオくんに俺のわがまま聞いてもらおうかな……?」
    「!うんっ、いいよなんでも言って。おれにできることならなんでもするっ」
    あんまり簡単になんでもとか言わない方がいい。俺だけにしてくれるならそれでもいいけど。
    「ふふふ、じゃあ夜ご飯に何食べたいか教えて?」
    「え〜……?えっと……あ、カルボナーラがいい!今日パスタの気分だったんだよな〜お昼に自分で作ろうかなって思ったんだけどリッツが用意してくれたやつあったから……あっオムライスおいしかったぞ!おれやっぱりリッツの作るオムライスが1番好き!ちゃ〜んとオムライスのうたも作ったからあとであげるなっ」
    途端にこちらが口を挟む間もなく元気よく話はじめたレオくんを暫く見守ってあげる。ちなみにオムライスのうたは俺がオムライスを作ってあげる度にレオくんがお返しにくれる曲だ。もう30曲近くこの世に生み出されているけれど、残念ながら世の中に出回ることはない。ちょっと勿体ないけど、忘れないように時々ピアノで弾いてあげるから許してね、と楽譜に断って大事に俺が保管してる。
    「ありがとう、忘れないで食べてくれて安心した。じゃあ夜ご飯はカルボナーラにしようか……もうお腹すいてるならすぐ作るけど」
    「うんっもうすいてる!……ん?これがわがまま?」
    「うん、レオくんが食べたいものを作りたいっていう俺のわがまま。それからご飯食べたら一緒にお風呂に入って、レオくんが寝るまでベッドで話したいな」
    「……リッツ〜、それ甘やかされてるの結局おれじゃないか……?」
    またもや不服そうに唇をとがらせるレオくんに思わず笑ってしまいそうになったけれどもっと拗ねられそうだから我慢する。
    「そんなことないよ?だってレオくん、俺がご飯作ったら褒めてくれるしお風呂上がったら髪乾かしてくれるし、夜はずっと抱っこさせてくれるでしょ?」
    「ん?うん……?」
    「それ、俺的にはいつも甘やかされてるって思ってるんだけど。今日もそうやっていっぱい甘やかしてよ、ね?」
    「そっか……そっか〜!分かった!」
    納得してくれたのかぱっと嬉しそうな顔になったレオくんの手をそろそろお部屋に行こうよと引っ張る。この時期じゃまだ洗面所にずっと居たら寒い。レオくんがいややっぱりそれっていつもと変わらなくないか、と言い出す前に暖かい部屋に移動しなければ。
    結局のところ、俺は自分が甘やかされるのも大好きだしレオくんを甘やかすのも好きだからなんだって幸せなんだけど、お兄ちゃん気質のレオくんはまだまだ甘やかされるのが恥ずかしいみたい。そこもかわいいし、そういう子だから大事にしたくなるんだけど。でも、いつかはこんな風に言いくるめなくたって優しくされることに慣れてくれたらいいな、なんてことも思ったりする。それから、どれだけ俺がいつもレオくんに満たされてるかももっと伝えられたら。
    「なぁリッツ」
    「ん?」
    暖まっているリビングに入ってひと息ついた所で後ろからレオくんに話かけられる。振り向こうとすればその前に背中にひっつかれた。
    「……さっき言いそびれちゃったけど、早く帰ってきてくれてありがと。忘れちゃっててごめんな?でもおれ、リッツがおれに早く会いたいって言ってくれて嬉しかった、から……だからリッツもおれにわがまま言われて嬉しかったのかなぁってちょっとは分かる……気が……うう〜、上手く言えない!」
    見なくなってレオくんがまた赤くなってることは分かる。けれど、それ以上に一生懸命かわいいことを言うレオくんが愛しくて堪らなくて、自分の頬も十分熱くなっている自覚があった。もしかしたら案外もう、レオくんはちゃんと俺のことを分かってるのかも。火照りを冷ますためにもうちょっと廊下にいようかな、なんて思いつつ、とりあえず言葉を探して頭を悩ませているレオくんをもう1度抱きしめることにした。
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    km64_lf

    DONEレノフィが膝枕してるところに晶くんが通りがかるだけのはなしです。
    謎時空。
    ふたりにとってはいつも通りだけど、側から見たら明らかにいちゃついている……というのと、
    甘えたなレノさんを書きたいという欲望をずっと持っていたので、
    すごく楽しかったです。
    膝枕をするレノックスとフィガロ 日が穏やかに照り、風がそよ吹く気持ちの良い午後。晶はキッチンへ行こうと、魔法舎の廊下を歩いていた。窓外に楽しげにはしゃぐ子どもたちの声がして、その穏やかで平和な様子に思わず笑みが浮かぶ。今日は任務がなく、訓練も午前の内に済んで、いまは各々が自由な時間を過ごしていた。
     晶は談話室の前を通りかかって、足を止めた。意外な光景に目を奪われて、思わず凝視した。
     談話室自体の様子は、穏やかな午後といった感じで変わったところはない。だが、そのソファを占有する二人組の様子が、晶にとって意外だったのだ。
     ソファを占有していたのは、フィガロとレノックスだ。彼らはふたりとも本を読んでいた。上着を脱いで、くつろいだ様子。ここまでは、意外でもない。だが、座るフィガロの腿に頭を乗せて、レノックスがソファに寝転んでいた。それが意外だった。
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