premier「舞踏会?」
「うん。王様と王妃様は開始一発目のダンスお披露目があるからよろでーす」
「はぁ!? 聞いてないんだけど!」
「言ってないからね。あんまり前から言うとプレッシャーで倒れるでしょ」
おれの性格をよくわかっているトド松の優秀さは大変喜ばしい。喜ばしいけど、色々準備をしたかった。聞けばもう一週間ほどしかない。
「ダンスの練習とかドレスとか……!」
「王妃様、元々王族でダンスはできるでしょ? 衣装やら小物やらはこっちでちゃんと用意してるし大丈夫ですよ~」
じゃ、ボクは休憩がてらラテ飲んでくるんでと何事もないように去っていった。
◇
「ちょっと」
「おお、クイーン。どうしたんだ?」
とりあえず執務室にいたキングを捕まえて真偽を確認する。まぁトド松が嘘をつく理由もないんだけど、嘘であってほしいという願望から確認せずにはいられなかった心情をわかってほしい。
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