女体化したおれに嫉妬しています「こんな拗らせたままアイツの側にいるの嫌だし、もう猫になりたい」
実の兄、カラ松への気持ちを拗らせきって疲れたおれは、そう考えてデカパンの薬に頼ろうとした。でもそれは浅はか過ぎた。今となってはあの時の自分を叱りとばしてやりたい。
……けれど、もう後の祭りだ。
◇ ◇ ◇
「猫になる薬はないダス」
デカパン博士にはアッサリそう言われたけど、
「でも丁度いいところに来たダス!」
と、流れるように新しい美女薬の治験バイトを頼まれた。おれは常に金欠のニートだから、謝礼が出ると聞いてアッサリそれを引き受けてしまった。
名前のとおり、まるで魔法のように老若男女問わずこの薬を飲めば美女になれる。服装もデフォルトの一種類だけだけど、勝手にそれらしい服にチェンジされる。
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