それはきっとあなたとおなじ 1111
リンクとゼルダが外に出ると、もう空は群青色が濃くなっていた。茜色の稜線が空と横たわる大地の境目で、遠くをのぞめばゲルドの神獣。足元には長閑な農村。見上げれば薄雲棚引く夜空には、もう無数の星々が瞬き始めている。
手を繋いで、暗い夜道を歩く。遠くにポツリ、ポツリと青い炎が灯るが足元は薄暗い。確かめる様にリンクが先に。その後をゼルダが続く。
常に背後の海から冷たい風が吹いていたが、急に強い風が吹き抜けた。一瞬、虫の音が止み、青草も一斉に騒ぎだす。さらに長く伸ばした金の髪を絡めてさらおうとするので、ゼルダは髪を抑え胸元のケープを掻き抱いた。首をすくめて寒さに耐えていたが、風はふいに止んだ。背後から肩を手に抱き寄せて、リンクが彼女を守っていた。
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