懺悔せよ(仮)「中也!忘れ物!」
「おぉ悪ぃ!ありがとな」
「今夜はハンバーグ作って待ってるね!」
「‥‥いや、夕食は」
「大丈夫!今度こそちゃんと食べれるの作るから!任せて」
満面の笑顔を向ける美香につられ中也も笑顔になる。
「無理するなよ?食材が泣いちまう」
「五月蝿い!ほら!行ってらっしゃ~い」
あの日、美香と出会ってから二週間経った。こんな家族ごっこみたいな生活にも慣れてきたが、そろそろ太宰が嗅ぎ付けてくるはずだ。それに‥‥美香が時折見せる悲しい顔にもケリをつけさせてやらねぇと。
中也は帽子を深く被り直し、駐車場へと向かった。
───
中也から別れを告げられて1ヶ月。
漸く中也の居所に目星がついた。
まさか、こんなに手こずるとは思わなかった。其れだけ中也も本気で隠れてたのだろうが、もう隠れんぼは終りだ。
1944