ごはんを食べよう24気付けばタイマー式のガスは止まっていた。
顆粒状のシチュールーを溶かし、牛乳を加えて煮込む。
後ろを振り返ると、イライがいそいそとカトラリーを並べている。
煮込んでいる間に付け合わせのサラダを簡単に準備して、主食のバケット……は買い忘れたので食パンを焼いた。
荘園では食べたことのないクリームシチュー、食パンといった料理にもすっかり慣れた。
そのうちパンも焼いてみたいな、と思いつつ、イソップはクリームシチューの火を止めた。
「イライ、どのくらい食べますか?」
「おかわりしたいから、一杯目は七分目まで入れて欲しいな」
イライのリクエストに目を細めて頷く。
まだ泣いたあと特有の声をしているけれど、元気になったみたいだ。
振り返った先のイライと目が合う。
途端、イライは顔を赤らめて目を逸らしてしまった。
「イライ?」
「みないで……」
「……どうして?」
「……恋人になったんだと思ったら、恥ずかしくて……」
なんて可愛らしいことを言うのだろう、この人は。
イソップは抱きしめたい気持ちをグッと抑えてシチューを皿によそった。