「好き」
口の中で飲み込まれることを回避した幸運なそいつらを他の言葉で弁明しようとも、一度自由を得たのならばそれらは空気中で輪郭を手に入れる。声に出せば発した声が耳から入り、頭の中で反芻された。まるでそれは、この世の唯一の真実だと言わんばかりに。「大地紘兎は蓮見聖のことが好き」ピンとくるこないの前、そのフレーズが頭に浮かんだだけで今にも脳が溶けそうだった。

Tap to full screen .Repost is prohibited
Follow creator you care about!☆quiet follow