獅子王司は浮かれていた。
もちろん物理的なものではなく、精神的に浮かれていた。
と言うのも、先日彼は兼ねてから『友達になりたい……!』と思っていた相手、千空と親密な関係になることが出来た。千空の方から『友達からとりあえず始めようや』と言われたのである。
司は旧世界で友達がいたことがない。その為司は自分にとって始めての友達、それも相手が自分が心から尊敬する男千空なのだ。そりゃもう嬉しくてたまらない。
どれくらい嬉しいかと言うと、ついペルセウス号での鍛錬の最中、勢い余って戦闘員五人を一人でのし倒してしまうほどだ。控えめに言っていい迷惑である。
「司殿は流石、素晴らしい武人でござる」
「ありがとう、松風もいい動きになっていたと思うよ」
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