あの夜の酒場ある夜の酒場
「俺、貴方の期待を裏切ってしまった…」
クランバトルの配信が終わった後、ぐったりと項垂れてエグザベはシャリアに呟いた。
厳しい尋問から解放され、やや何時もより緊張の糸が解けていた。
相手が伝説級のパイロットで、憧れの人で、更には自分に目をかけてくれている上司でー
そんな事がアルコールと共に流れ出して溶けていく。
同僚にも「お前はつまらないくらいポジティブで普通だ」と称されるほどメンタルは安定している方だ。自身でもその自覚がある。だからこそ今回の秘密任務を任された。
(真面目で口が堅い凡人)
シャリア中佐から異例の抜擢をされた時、口がさない同僚からその様な誹りを受けたが、そんな事が気にならないくらい、実際エグザベは浮かれていた。
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