百二十点満点!「ねぇ、好きだよ。俺と付き合ってほしい。」
そう言い放ったフェイスとおれの距離は、少し動けば互いの唇が触れてしまうのではないかと思うほどに近かった。世の女性に見られたら、それは羨ましがられるであろうこのシチュエーション。
「…十点」
そんな状況の中、おれの口から放たれた言葉は、この場には余りにも似合わないそんなセリフだった。
そもそも、何故こんな状況になってしまったのか?その説明が必要であろう。あの日は、本当に何ともない、いつも通りの一日になるはずだった。朝には、なかなか起きてこないフェイスのことを叩き起こし、欠伸なんてこぼしている、やる気のないそいつをパトロールへと引っ張って行った。昼には、フェイスと共にダイナーで食事をし、パトロールの帰りには、今夜観る映画を探すべく、先日帰路で見つけたレンタルショップへと立ち寄った。そう。そこまでは、本当にいつもと何ら変わりない一日だった。
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