【テーマ:イタズラ】
釘崎の提案に悠仁が乗ったのは、どうせ成功しないと思ったからだ。
だから今になってこんなことになるとは思ってもみなかった。
「いででででで!」
そよ風も暖かい昼下がり。高専に悠仁の痛がる声が響き渡る。
「こんなもんじゃないよ、僕の純情踏みにじった代償は!」
背後から呼ぶ声に振り向いた瞬間、担任からヘッドロックをかけられた悠仁は目を白黒させている。
「えっ何?何が?」
「何がじゃないよ、悠仁を信頼してたのに!」
「訳分からん!」
五条の純情?踏みにじる?どちらも思い当たることがないし、何より頭の痛みが半端ない。突然のことにパニックになった悠仁は、ホールドする腕を何とか緩めようともがくが、さすが最強びくともしない。
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