ウ・ルダイさんの特別な虫除け。「(うーん 杞憂だとは思うんだけど……ねぇ? どうしよっか、ウ・ルダイさん?)」
あくる日のサンシェイド。照り付ける日差しも中々の陽気な街並みを歩きながら、行商人ウ・ルダイはとあるちょっとした懸念にため息をついた。
今回の用事は討伐依頼、砂漠で徒党を組んだ盗賊団を蹴散らす仕事だ。とはいっても砂漠の盗賊は曲者だらけ、居所を特定しないと話にならない。なのでもちろん情報収集からになるのだが、ウ・ルダイのちょっとした懸念はそこにあった。
サンシェイドの大通り、一歩前を歩いてそれとなく歩きやすいようにしてくれているヨルンの横顔を見る。印象的な目つきに銀の髪、武骨な雰囲気だけどよく見たら小柄で実はウ・ルダイよりも背が低い。いや身長に関してはウ・ルダイが勝手にでかいだけなので仕方がないのかもしれないが。顔がいいというわけではないが目を惹く容姿をしているのは違いない、このウ・ルダイが目を離せないのだから絶対そうなのだ。しかもそれに対して本人はまったく無頓着なのが猶更悩ましい。
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