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    なまを

    @gakuaya_0327

    欲望に忠実になれ。
    大体学妖しかない
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    なまを

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    妖と学がコンビから恋人関係になります
    お話はまだまだ続く予定ですよ。

    #学妖
    learnFromADemon
    #うちよそBL
    privateBl

    〜妖と学が結ばれるまで〜 ①
    妖視点

    学に知られちゃった編

    なんで、なんで、なんで!!!!!!
    ずっと隠せると思ってた。それでいいと思ってた。それが正解だとも、それならあいつとずっと一緒にいれるとも思ってた。もうほんとに最悪だと思った。胸が苦しくて、泣きたかった。
    俺は学の腕を振り払ってその場から逃げた。
    ━━━━━━━━━━━━━━━
    「はぁ………………あ〜〜………超しんどい…」
    俺は息を整えると力が抜けるように地面にしゃがみこんでしまった。顔が熱い。
    俺は今、いつもの射撃場に来ている。それは別に、幽霊に追っかけられたからとか、銃の練習がてらにそこまで走っていこうとかそういうのじゃねぇ。前者だったら逆にぶっ倒してるし。
    ……事の始まりは、あの、桐ヶ谷 学とかいう男だ。俺の相棒で、俺がもう4ヶ月も、『片想いしてる相手。』……なんだよ、別に、俺もこんな気持ちを抱く予定はなかったし。俺がこんな気持ちを学に抱いてるのも学は鈍感だから気付かねぇとも、そもそも俺自身も言うつもりも無かったんだ。
    でも、バレた。しかも唐突に。
    ほんとにいつも通り俺は、学の、傍に座ってただけなのに……………………

    ━━━━━━━━━━━━━━━
    ……学からの視線がなんか痛い。え、なに?、いつもみたくパソコンの前に集中しろよ?
    「…………なに?」
    聞いてみる。まぁこいつ声出ねぇから返答はないんだけど。とりあえず恥ずかしいから見ないで欲しい。俺は学から顔を背ける。

    …………まだ見てくる。いや、あの、そんなにずっと見られてるとですね……?その、照れるというか、頼むからその、そのかっこいい顔で見て欲しくないというか、あ、やべ、顔赤くなる。

    「あぁもう!!!!そんなに見て何?!?!」

    学が、紙とペンを取り出して字を書く
    嫌な予感はしてた。

    『お前さ、もしかして俺の事、恋愛的な目で見てる?』

    俺の抑え込んでた気持ちが全部崩れた瞬間だった。
    ━━━━━━━━━━━━━━━

    ……その後は自分が何を言ったかも覚えてねぇ。俺はとりあえずその場から立ち去りたくて、学の顔が見れなくて、勢いに任せて研究所を飛び出して、なんかぶつかった音したけど、気にせず無我夢中でここに走ってきて、今に至る。
    「帰れる訳ねぇ〜…………どんな顔してあいつの所戻ればいいと思ってんだよ…………」
    流石の学も俺があんな反応しちまえば、嫌でも分かっちまうよな。マジ無理。今凄い死にたいと思ってる。なんで分かったんだよ。ふざけんな。
    研究所の方をちらっと見ると、学が車を出して、どこかいこうとしてた。
    そして、凪紗からの着信。
    いつもの優しい声で、ご飯にしませんか?って言ってきた。

    「うん……お腹空いた。」

    本当は全然お腹なんか空いてないのに、俺はそう言って、研究所に戻ろうと立ち上がった。
    俺の声はいつも通りだったろうか。
    ━━━━━━━━━━━━━━━
    そっと研究所に戻ると、凪紗がいた。
    学はいなかった。
    ところで凪紗、「なんかおでこ腫れてね?」
    そう言っても凪紗はいつも通りへにゃへにゃ笑って気にしないでください〜って言うから、気にしない事にした。

    ご飯を食べようと席につく。相変わらず凪紗の料理は美味しそうだ。少しだけ、食欲が出てきたかもしれない。
    凪紗はゆっくり、俺に話しかけてきた。
    今日はお兄ちゃんは帰ってきませんよ。妖さん、お兄ちゃんと何かあったんですか?だって。

    「別に…………」
    箸が止まる。凪紗とさえ目が合わせられない。
    あまりにもばればれの嘘だ。
    あ、やべ、泣きそう。

    静かに時間が過ぎる。
    凪紗は俺が喋るのを待ってくれてる。

    俺は息を吸い込んで、口を開く。
    視界が涙で歪む。
    「ね、凪紗……おれ、さ、片想いしてる人にね、好きなこと、バレちゃって、前も言っただろ…?その人と付き合うことは絶対無理だって。おれ、もう、その人と一緒にいれないや………どうしたらいい……?」
    学の名前は出さなかった。

    その後も凪紗はずっと俺の話を聞いてくれた。
    とうとう凪紗の前でも泣いた。俺、カッコ悪。
    ご飯も冷めちゃった。悪ぃな、あとであっため直して食べるよ。
    凪紗は、俺は「絶対無理」だって言ってんのに、そんなの分かんないですよ!まだちゃんと想いを伝えてないんですよね!?告白すればいいじゃないですか!OK貰うかもしれませんよ?だってよ。凪紗、俺のメンタルを破壊する気か?学に気持ち悪い言われて終わりだぞ?はは、しにて〜…………

    はぁ、まぁでも、バレてるしな。告白してもいいかもしれない。
    そしてそれを最後にしよう、告白してダメだったら、もう俺はここから出てく。
    ってのは凪紗には言わないけど。
    ……あ〜あ、凪紗のご飯ももう食べれねぇのか。

    そうしてその日は、凪紗も帰って、俺は1人で研究所のベッドで寝た。いつの間にかダブルベッドになってたこのベッド。いつもはなんともないのに今日は一段と広く感じた。猫のもなかが俺の所に入ってきた。
    「もなかは俺が大好きだもんなぁ……俺がここから出ていったら一緒に着いていくか?」
    もなかは、「にゃー」と鳴くだけ。
    その日は本当に学は帰ってこなかった。
    ━━━━━━━━━━━━━━━
    起きると、学が帰ってきていた。
    「あ、」
    思わず、声を出した。学がこっちを向く。俺は逃げるように部屋を移動する。が、結局学に迫られて、腕をがっしり掴まれれば、逃げ道はまぁ無いよな。

    俺が「離せよ。」と言うと、断る。と学は口を動かす。掴んだ腕は今度こそ離してくれそうにない。いや、俺が振り払う気が無いからかもしれないけど。

    昨日の事だが、お前は本当に俺の事が好きなのか?とまた口を動かす学。やっぱりそうくるよな。
    俺は「そうだよ、俺は学の事が、恋愛的な意味で、好きだ。」とハッキリ言う。

    学は複雑そうな顔をしている。まぁそりゃそうだな。学はまた口を動かす、それでお前はどうしたいんだ?と。
    は?俺が、お前と、どうしたいか、だって?そんなの決まってんだろ。

    「…………俺と……付き合って欲しい。俺の、恋人になって欲しい。」

    はい、これで拒否されて終わり。これでお前との契約は終了だ。割と楽しい時間だったよ。うん。あーーーー、泣くな、俺。


    学の口が動く。


    (分かった。)
    だって。


    え、マジで言ってる?
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