わたしには門がある。
いつも誰かの声がして、友達ができて、物語が動き出すと門が開く。
彼、彼女たちはわたしのまいた種から産まれるのかもしれないが、どう生きるかは本当に彼、彼女たち次第だ。
物語の道筋を決めても、はみ出し、予定にはなかった結末に行き着くことも多々ある。
だからこそ、予想もしなかった相手と友達になっていたり、いなくなるはずの者が残り、友達になったりすると少し嬉しい。
この門をとじるときは、たくさんの苦難を乗り越え、光を手にしたときだろう。
幸せを手に入れたなら、あとは見送るだけだ。
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