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    yoshii_no

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    yoshii_no

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    つかさ→セナ

    気になったのは、幼稚園のとき。
    幼いが故に、最初はただの憧れだと思っていた。
    活発で友達の多かったセナは、気弱で友達の少ない僕にとってはヒーローのような存在だったから。

    『つかさは綺麗な顔してるもんな。みんな僻んでるんだよ』

    小学5年の帰り道、そんな何気ない一言に僕の想いは気付かされた。
    他のクラスメイトに言われても何も感じなかったその言葉は、気持ち悪いほど僕の心に染み付いた。

    『セナは、僕のことどう思ってる?』
    『ん?幼稚園の時からずっと、つかさは綺麗で自慢なオレの幼馴染だよーん』
    『そっか。セナの自慢になれて嬉しいよ』
    『ちょっと、オレの嫌味スルーすんな!』

    そう言って、持っていた体操袋で軽く叩く。
    体操着からふわりと香るセナの匂いに胸が高鳴って、変態だなと思いながら答えを否定することはなかった。

    僕がセナの想いに気付いたと同時に、僕はイギリスへの引っ越しが決まった。
    家族の中では決定権の無い僕は、親に言われるがままセナの元を離れることになる。
    まるで、この想いを忘れろとでも言うかのように。
    セナと最後に交わした言葉は「オレたちはずっと一緒だかんな。帰ってくる時は連絡してちょ」だった。

    16になる歳。
    僕は親の反対を押し切る形で、日本に帰国した。
    イギリスにいる間に、セナへの想いが風化してしまうのではと思ったけど、そんなものは杞憂だった。
    むしろ想いは募るばかり。

    会えたらなにを話そう。
    どんな顔して笑いかけていたかな。
    まだ僕を綺麗と言ってくれる?


    そんな想いを胸に、セナには内緒で同じ高校を受験し、入学式に感動の再会を果たすという計画を立てた。

    桜舞い散る並木道。
    綺麗な金髪は、舞い散る薄ピンク色の桜の中でも映えていて、すぐに見つけられた。

    「…ーセナ」
    「つかさ?うっそ、マジでつかさじゃん!どしたん、帰国したの?」
    「そうだよ。今日からここに通うんだ」
    「オレもオレも!高校一緒とか嬉しすぎるわ〜。これからもよろしくな」
    「もちろん。セナ」

    またセナの隣にいられる。
    僕を自慢して。
    みんなに話して。

    「みんなに自慢しよう。僕はセナのものだって」
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    yoshii_no

    MOURNING芍沢くん視点
    芍→つかさ きっかけ
    いつも通りの授業を終えて、ある者は部活、ある者はバイトとバタバタと教室から人が散っていく。
    僕も図書室に行くため席を立とうとすると、目の前に立ちはだかる人。

    「芍沢、ごめん!掃除当番変わってくんね?実は母ちゃんが体調崩したらしくて、早く帰って手伝えって言われててさ…」
    「……君のお母さん、身体弱いんだもんね。わかった。僕が代わりにやっておくよ」
    「まぁじ助かる!今度芍沢出られない時はオレ出るから!じゃあな〜」

    …ー掃除代わってもらえた!遊び行こうぜ〜
    …ーお前の母ちゃんピンピンじゃん。お前、主演男優賞狙えんじゃね?

    少し離れたところから聞こえるそんなふざけた会話を聞こえないフリをして、今日もいつもと同じように押し付けられた掃除当番をこなす。

    掃除自体は嫌いではないので、あまり苦には思わない。
    僕が綺麗にした場所で、あなたが笑ってくれるなら僕は毎日だって掃除をする。

    「…っ」

    机を後ろに片付けるときに、そっと指で机をなぞる。
    この机であなたは勉強して、ご飯を食べている。
    伝わる熱は無機質なものだったけど、なんとなくあなたの生活が身体に染み入るようだ。

    「芍沢くん、お疲れ様」 1076

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