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    yoshii_no

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    yoshii_no

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    セナ→芍沢
    きれいな理由

    「おはよー、セナ」
    「はよー」

    欠伸を噛み殺しながら、今日も騒がしい教室に足を踏み入れる。
    学校は好き。でも勉強は嫌い。
    友達は好き。でも先生はあんまり好きじゃない。

    そんな普通な高校生活。
    オレの高校生活を色付けてくれるのは、窓際の席のあの子。

    「しゃーちゃんっ」
    「…っ。セナくん?」

    オレの方を見て視線を泳がせるキミ。
    たぶん、いや絶対。オレのことは苦手だと思ってるんだろうけど、それでもちゃんと返事をしてくれるいい子。

    「昨日、アイツの掃除当番代わったんだって?アイツ掃除は休み〜とか言ってたから無いのかと思ってて止めらんなかった!ごめんな?」
    「別にいいよ。僕も暇だったし」
    「そっか。今度はちゃんと掃除させるよう言っとくな」

    キミとの接点を作りたくて、中身のない会話をするのはもう何回目か。

    この学校が好きなのは、キミのおかげ。
    花瓶の花がいつも綺麗なのも、黒板のクリーナーが綺麗なのも、机が綺麗に並べられているのも。全部キミがやっているから。
    綺麗の理由は、全部キミにしてしまう。

    「すき」
    「え?」
    「…なんでしょ。つかさのこと」

    キミが綺麗な視線を送る先、そこにいるのは幼馴染のアイツ。

    ほら。
    ほんのり赤く染まる頬。
    そんなカオ、オレには絶対見せない。


    身体を屈め、耳元でそっと囁く。

    「だいじょーぶだって。いわないよ。内緒話ね」
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    yoshii_no

    MOURNING芍沢くん視点
    芍→つかさ きっかけ
    いつも通りの授業を終えて、ある者は部活、ある者はバイトとバタバタと教室から人が散っていく。
    僕も図書室に行くため席を立とうとすると、目の前に立ちはだかる人。

    「芍沢、ごめん!掃除当番変わってくんね?実は母ちゃんが体調崩したらしくて、早く帰って手伝えって言われててさ…」
    「……君のお母さん、身体弱いんだもんね。わかった。僕が代わりにやっておくよ」
    「まぁじ助かる!今度芍沢出られない時はオレ出るから!じゃあな〜」

    …ー掃除代わってもらえた!遊び行こうぜ〜
    …ーお前の母ちゃんピンピンじゃん。お前、主演男優賞狙えんじゃね?

    少し離れたところから聞こえるそんなふざけた会話を聞こえないフリをして、今日もいつもと同じように押し付けられた掃除当番をこなす。

    掃除自体は嫌いではないので、あまり苦には思わない。
    僕が綺麗にした場所で、あなたが笑ってくれるなら僕は毎日だって掃除をする。

    「…っ」

    机を後ろに片付けるときに、そっと指で机をなぞる。
    この机であなたは勉強して、ご飯を食べている。
    伝わる熱は無機質なものだったけど、なんとなくあなたの生活が身体に染み入るようだ。

    「芍沢くん、お疲れ様」 1076

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