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    ijuyimo

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    ijuyimo

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    支部に載せるFS店員おにいさん×女主人公のやつ
    ネタ出し

    「お兄さん! 大丈夫ですか、ケガは!?」
     地面に転がされた俺を、血相を変えて抱え起こしてくれたのはトウコちゃんだった。
     呻き声を上げるよりも先に、気絶する前に受けた仕打ちが脳裏を焦がした。
    「俺が……俺が弱かったから……」
    「お兄さん?」
    「タブンネ……ドレディアも、連れて行かれてしまって……」
     奴ら、プラズマ団と名乗っていた。
     人間からポケモンを解放するって。なんて勝手なんだろう。
     ポケモンは人間といては幸せになれない。彼等はカラクサタウンの演説でそんな事を宣っていた。
     俺はそうは思わない。だって俺が、俺達が紡いできた全てがその宣い事に対する答えに他ならないのだから。
     そんな泣き言も、理不尽の前にはすべてが無力だった。
    「お兄さん……」
     トウコちゃんは、まるで自分の事のように苦しそうに顔を歪めて俺の手を取った。大丈夫です、と気丈に笑みを作る彼女はやっぱり年下と思えないくらい頼もしくて、
    「え? だ、大丈夫って……」
    「アタシがお兄さんのポケモン取り返してきます! いえ、行かせてください!」
    「でも……危ないだろ」
    「平気です、こう見えてアタシポケモンバトル強いので!」
    「そうじゃなくて」
     じゃあなんだ、とでも言いたげに首を傾ぐトウコちゃんにぶつける言葉なんてたったひとつだ。
     ごくシンプルで、当たり前の事。
    「トウコちゃん、女の子でしょ。一人でなんて危ないよ」
    「うっ……」
     今度は何故か胸を押さえて苦しみ始める。元々感情豊かな子だったけれど、今日は一段と百面相してるなあ。
    「まあまあ、ここはどうか彼女を信じてあげてよ」
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