平蔵の仕事は放課後からが本番である。
特に今日は大きな仕事が待っていることもあり。早く真実を明かしたいはやる気持ちに身を任せて、押してくる波に流されるように足早に教室を飛び出していた。
風紀委員に所属している平蔵は、主に校舎裏や体育館で屯している不良グループを追い払ったりすることが仕事のひとつにある。
元々堅苦しいのが苦手な平蔵は会議を何度もすっぽかしては、同じ委員で同じ学年の九条裟羅に何度も注意を受けていた。「形式的な会議が嫌なのなら、その間校舎の見回りでもしたらどうだ」と言われてからほとんど毎日、こうして放課後に見回りをするようになったのだ。
学校という閉鎖空間、授業という収容状態から開放された生徒はどうしても気が大きくなりがちなもの。それに加え我の強い生徒ばかりが集まってしまったのだから、以前から収集がつかない事態も多々起きていたと記録に残っている。
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