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    罪深き珀雷

    @koinosasimi

    普通に上げれないものを上げるかもなと

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    罪深き珀雷

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    エルフ編でエンさんが死んでた場合…的なやつ、なんか途中で文章思いつかなくなったから供養

    エルフの攻撃が辺りを破壊した。
    落ちてくる瓦礫の中、その手を伸ばして、目の前の彼の体を突き飛ばす。
    「危ない!!」

    か細い声しか出ないはずの喉を震わして、大声を出した君を見た時、君の姿は瓦礫の中に消えてしまった。

    「しなびたキノコ君!?」
    キルシュは顔色を真っ青にして、瓦礫を退けると、髪もローブも血で汚された細い体を抱き上げる。
    「早く、回復魔導士の元に…」
    「無駄、だよ……」
    自分の体を抱くキルシュに、エンは今にも力尽きそうな声をかける。
    「肋骨が何本も肺に刺さってる…それに体も動かないんだ……」
    「そんな……!何故、何故私を助けたんだ…!」
    エンはそれに答えずに、ただ微笑んで、別の言葉を口にした。
    「団の…自室……机から三番目の…引き出しに、遺書が二つ………家族と、団長に……お願い……」
    腕の中で失われていく熱を強く抱き締めながら、キルシュは静かに泣き
    「確かに、聞いたよ。だから、安らかに…眠ってくれ……」

    ありがとう、と微かに聞こえた気がした。


    「……そうか、ありがとよ」
    戦いの後、ジャックに遺書を渡したキルシュ。
    「アイツの家族には俺が渡しといてやるか?」
    「いえ、私が行きましょう。…彼が死んだのは私のせいだ」
    向けた背がやけに辛そうなので、ジャックは手を伸ばしてその肩に置いた。
    「そういう言葉は、アイツは望んでねぇ、だから…その、あんまり言うことじゃねぇけど、あんまり思い詰めんな」
    「…大丈夫です」
    そう答えるも、背に負ったものは少しも軽くならなかった。

    平界のとある田舎町に着いたのは夕方の事であった。
    町の人々に話を聞いて、キルシュはエンの家を探す事にした。
    「まぁ、リンガードさんの家を?」
    「アイツらの家ならあっちだぜ」
    「家族皆、仲が良くて」
    「長男は真面目だし、優しくてなぁ」
    「この町の誇りでもあるな」
    人々から聞く言葉が余計に、キルシュの心を締め付ける。
    それでも、キルシュは歩いた。

    煉瓦造りの家に着いた時、キルシュは何て間が悪いんだと呟きそうになる。
    なぜなら、家の前に棺桶が運ばれてきた所であったからだ。
    棺桶を運んできた魔導士達が去るのを見届けると、キルシュは意を決して、一番背の高い青年に話しかけた。
    「エン・リンガードの家の者かい?」
    「兄貴の、知り合いか…?」
    「これを…そして、君達に私は謝らなくてはならない」
    「王族様がなんで…」
    キルシュは深々と頭を下げて、震えた声で謝罪の言葉を紡いだ。
    「彼は、私を庇って死んだ…!本当に済まない…!!」
    キルシュの言葉に、泣いていた幼いきょうだい達も泣くのを止めた。
    「頭を上げてください…」
    長女に言われて顔を上げると、右の頬を打たれた。
    「兄さんを返して!!」
    その叫びを皮切りにキルシュを言葉の刃が貫いていく。
    「この人殺し!」
    「あなたさえ居なければ、兄さんは…!」
    「おにいちゃんをかえしてよ!」
    「平民を盾にしとして、よくここに来れたわね!」
    次々と心臓を貫いていく言葉に耐えきれず、逃げ出したくなるが、ここで逃げる訳にはいかない、逃げたら駄目な気がすると耐え抜いていく。
    そうしているうちに、次女が魔導書を取り出したが、それを今まで黙っていた次男が諌めた。
    「やめろ、もう十分だろ」
    「けど…!」
    「俺の言うことに従え、今日から俺が家長なんだ」
    それだけ言うと、きょうだい達は棺と共に家の中に入っていった。
    「…済まねぇ。皆、兄貴が大好きだからさ」
    「いや、構わないよ。寧ろ、許されるべきではないんだ。何度謝ろうとこの罪は晴れない」
    「そこまで考えてんなら俺としては十分だよ」
    「優しいな、君は。…そうだ、これを渡しに来たんだ」
    次男に遺書を手渡すと、その場で開けて読み始めた。


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