Winner 「王馬くん…イカサマしてるよね?」
「えっ、イカサマ!?俺ほど真剣勝負を愛している男はいないっていうのに!?最原ちゃんってばひどいな~~!」
わざとらしく声を上げる王馬くんを僕は軽く睨んでみるが王馬くんは肩を竦めるだけだった。
「まあ、仮にオレがイカサマしていたとしてさ…それがどんなものか最原ちゃんは分かってるの?」
「それ、は――」
「最原ちゃんは探偵なんだからさ。オレがイカサマしてるっていうならそれがどんなものなのか暴いてくれないと」
そう言いながらまた王馬くんは何度目にもなる勝利を僕から搔っ攫っていった。
「……はい、またオレの勝ち~。で、わかった?オレの勝利の秘密」
「………まだ」
「じゃあ、イカサマしてるって証明できないね~にしし」
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