現パロ無鉄(彫刻家×貧乏美大生)その11「…………う゛」
「そろそろ十時だぜ。起きられるか?」
「う゛ー……」
十時。つまり六時間睡眠。そう、俺たちは結局四時まで盛り合っていたのだ。少しずつ日の出が早くなっているとはいえ冬の四時はしんと暗く、まさか本当に終わらない夜を過ごすことになるとは。
声を出そうと思ったがガビガビである。なにせ一晩中鳴かされたのだ。無頼漢から水を受け取り飲み干せば、幾分かはマシになる。コップを無頼漢へ返し頭が覚醒するまでベッドの上でぼうっとしていれば、なんと戻ってきた無頼漢がベッドに乗り上げ俺の体をシーツの海へ逆戻りさせたのだ。そのままぎゅっと慈愛の抱擁を施される。なお、俺は全裸のまま。
「……こうされるのは嫌いではない。この後モデルをするなら上はこのままでいいが……パンツくらいは穿きたい」
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