じゃんけんぽんで決めましょう。「という訳で、どっちをやるかジャンケンで決めようと思います」
「ジャンケン、とは？」
「賢者様の世界にある、平和的な勝敗の付け方だよ。手遊びみたいなもの」
「ああ」
「あ、覚えてた？なら、話は早いや」
「早速やるよ！最初はグー」
「何故？」
「は？何が」
「何故、グー」
「可愛くいうな。何でグーなのかは知らないけど、賢者様に掛け声はこれって教えてもらっただろ」
「……」
「ほら、やるぞ」
「最初は、グー！ジャンケン……」
「「ぽん」」
「やったー！勝ったー！じゃあ、オズが下だな」
「何故」
「何故って今負けただろ」
「負けてない」
「いや、負けた。お前がグーで、俺がパーだった」
「グーは石、パーは紙を表すと聞いた」
「そうだよ。石は紙に包まれると動けなくなるから、負けだろ」
「私なら、突き破る」
「は？」
「もしくはすり潰す」
「おい、ジャンケンの根底を覆すな。こんなところでも自由な発想を披露しなくていいんだよ」
「ならば、実際にやってみればいい」
「やらないでいい！もう！石と紙を呼び出すな！俺が下でいいから」
「……下、とは？」
「そこからなの？」


おわり