※自己解釈間取り、環境、全て捏造
パレット美術館に所属してしばらく経ったある日の事。
庭園の中途半端な位置に、未熟で頼りない一本のオリーブの木が植えられた。
あまりにも違和感があったので当初はかなり抗議をしたが、周りはさほど深く考えていない様で、木はそのままの位置で育てられた。
気がついたらオリーブは枯れていて、跡形も無くなっていたのだけれど。
そんな事があったのもすっかり忘れた冬の日。
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住めば都なんて言葉はあるが、それも長く続くと不平不満が出るものだ。
なんでこの美術館はもっとアトリエが無いのだろうか。崇拝する神や、異国の島国育ちの同僚から聞くに、王都の美術館の環境は今この場所より遥かに恵まれているようだった。
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