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    j_i_machi

    @j_i_machi

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    POIPOI 12

    j_i_machi

    MOURNINGドラアン
    それは昼間アナタがワタシに触れてくれないから

    未完のつもりだったけどなんか綺麗な気がするからこれで完成でいいよの意
    彼が香水をつけている事に気づいたのは、何度か目の不本意な情事の後の朝。珍しく自分より目覚めが良かったドラクロワの身支度を、ベッドの中からぼんやりとした意識の中見ていた時。
    それが自然かのように机に置いてあるガラスの瓶を手に取り、軽く手首に噴射する。慣れた手つきでもう片方の手首に、次に耳の下の首周りに擦り付けていく。見慣れない行為がなんなのか判らなかったが、彼らの身支度の動きにのって漂ってきた香りで理解する。
    「香水、付けてるんですか」
    衣擦れの音だけが響いていた空間に、突如肉声が響いた事に驚いたのか肩がびくつく。いたずらされた猫の様だと思いながら、掠れた喉を調整する。
    「…いつから起きてた?」
    「アナタが起きた揺れで起きました」
    おはようございます。と、社交辞令の挨拶を交わす。ドラクロワはおう、と適当に返しながら机に避難させていた眼鏡を渡してきた。その動作に再び、先程と同じ香りが舞う。人工的だがしつこく無い、自然な甘い香り。嗅いだ事がない雰囲気のフレーバーを、思わず身体が取り込んでしまう。
    「アナタにしては良い趣味をしていますね」
    「一言余計だっつーの。俺が選んだワケじゃねーしな」
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