【薔薇咲展示】Promise You -Prologue-Prologue
この瞳で初めて見た貴女は、柔らかい光の中にあった。年頃の女性の姿でありながら、その顔にはまだ少女の面影が息づいている。癖のないブルネットをうなじの辺りで纏め、黄色いキュロットスカートは風を含んで膨らんでいる。
やがて、軽く閉じた睫毛が僅かに震えて押し上げられる。現れたのは透き通った黄色。うららかな春の陽光を多分に含んで輝くまるい瞳が、見上げてひとつまばたきをする。
「わ、私は、ユウ・ド・ルクレールと言います。……よろしくお願いしますね。」
その声はややぎこちないものだったが、瞳も口許も柔らかく緩められていた。最後まで言うと結んだ口の両端を一層持ち上げた。
「よろしくお願いします。」
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