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    しんや

    @4ny1crd

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    しんや

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    篠唯/140字SS×計16作。
    なるべく作中の時系列に合わせて、在学時~卒業後の未来+捏造過多に分けて入れ替え。

    #スタオケ
    #篠唯
    ##篠唯(小説)

    140字SS■在学時・片想い~両片思い

    【あかりを灯す】
     最初は『認められたい』と思っていた。それがいつの間にか『期待に応えたい』に変わっていた。
     皆のように演奏しなくても、共にステージに立たなくても。
     見守ってくれている貴方の優しい眼差しを感じると、ぽっと心に熱が宿るから。
     今日もまた、私はステージに向かう直前に、貴方を見る。


    【鼓動】 ※ホーム台詞ネタ
    「大荷物だな…コンサートの準備か」
     譜面台を抱えてよろめく私に、声をかけてきたのは篠森先生。
    「貸したまえ」
     重いのでと遠慮する暇もなく、先生はひょいと荷物を奪っていく。
    「へ」
    「これもステージマネージャーの仕事だ」
     ――先生も男の人なんだなぁ。
     とくんと心臓が跳ねた。


    【今から?分で】 ※通学時間が不明で捏造。
    「やはり君か。私が当番の日を狙って、わざと遅くまで残ってるんじゃないだろうな?」
     練習室に入って来た呆れ顔にどきりとする。
     窓の外は真っ暗だ。
    「そ、そんなことは〜……ははは」
    「ハァ。早く帰り支度を済ませなさい。送っていく」
    「はぁい」
     二人で歩ける時間なんて、ほんの僅か。


    【どうにかなってしまいそう】
     目眩とともに急降下した視界。朝日奈と呼ぶ、怒気の強い低い声に答えたいのに、唇が重くて動かない。
    「チッ熱があるな。倒れるほど無茶をするとは。演奏者ならばっ……いや、小言を言っている場合では、」
     されるがまま抱え上げられながら、見た事も無いほど焦りに歪んだ先生の顔を眺めていた。


    【そこがいい】
    「冷たいし厳しいし全然相手にされてねえんだろ。なんであいつ? 他にも男はいるだろ」
     人の恋を酷い言いようだと思うけど概ね合っているし、私を心配して言ってくれているとわかるから無碍にできない。でも他の人なんて考えられないし、
    「篠森先生だからいいのっ」
     こればかりは、譲れない。


    【優しい言葉】
     ボロ舟で大海を目指すなど、無謀な夢だと言い続けた。
     叶わない可能性を自覚しないまま進めば確実に沈む。ならば早いうちに諦めさせればいいと。
     ――まあ、君にとっては追い風でしか無かったようだが……。
    「よく頑張ったな」
     ひたすら突き進み続けた君に、今日だけは賞賛を贈ろうか。


    【片想い】
    「篠森先生は?」
    「先生も一緒に行きませんか?」
     事ある毎に問いかけてくる眼差しに、すげなく断った後の表情に、気付かないふりをし続ける。
     彼女の瞳には一向に靡かない男として映っている筈だが、だからこそと何度も声をかけてくるのが彼女らしい。
     そんな姿を見つめるのも、あと数ヶ月だ。


    【誕生日】
    「おめでとうって言ってくれませんか?」
     眉をひそめ、なぜと問い掛けようとした口を閉じる。液晶画面に記された時刻は0時0分。普段ならばもう遅いと通話を切る頃合いだ。
     しばし沈黙の後にできる限り淡々とした声でそれを告げると、微かに笑う息の音。
    「……何か良い事でもあったのかね」


    【蛇足】
    「先生が好きです!」
    「……そうか」
     卒業式後に告げられた想いは予想通り。
    「あ。好きって単なる憧れや尊敬じゃなくて、いえそういうの含めての好きですけど、私のは恋愛の好きで、だから今のは、」
     何を思ったか続けてまくし立てる口を己の唇でそっと塞ぐ。
    「――こういう意味だろう?」


    【自由】
    「君を、待っていた」
     ようやく味わえた柔らかな唇から離れた後。短い告白に、君の瞳は感動に揺れ、頬は期待に染まる。
    「……信じられないという顔だな」
    (もう一度、唇を重ねようか。いや、)
    「君が困惑するほどの愛の言葉を贈ろうか?」
     これからはもう、飲み込む必要などないのだから。


    ■卒業→交際後・未来・捏造過多

    【今から30分で】
    「うちに!?」
     突然、着信音が鳴ったと思えば。
    「出張が早く終わったんだ。君も今日は休日だろう」
    「や、そうですけどっ」
    「何か不都合でも?」
     寝間着だし髪ハネてるしお化粧もしてないのに!
    「……早く会いたいと思っていたのは、私だけか」
    「~っ支度するのでゆっくり来て下さい!」


    【運命の出会い】
    「美味しそう!」
     彼女が大好きな鯛を模した菓子は香ばしく焼き上がっている。
    「これも欲しいです!」
     そうキラキラした瞳で見つめるのは手にした菓子ではなく、店先に飾られていたクッションだった。
    「……売り物なのか?」
     店主が頷いたのを見て、私は三つのたい焼きの代金を支払った。


    【交渉決裂】
    「許さん」
     告げた拒絶に顔を曇らせるも、唯は奴を抱きしめながら、今夜からは彼と寝るのだと言う。
     恋人の前で他の奴との同衾を宣言するとは。
     ふんと鼻を鳴らし、そいつを掴んで無理やり引き離すと、容赦なく地に叩きつける。
    「私のたい焼きクッションが!」
     悲愴な声が寝室に響いた。

    →【愛しい人】へ続く。


    【子ども】 ※微修正
     彼女の実家で広げられたアルバム。全身泥まみれで遊び、木に登り昆虫を捕まえて。
     唯は昔から活発だったのか、唯似ならこうかと微笑ましく眺めていたのに。
     途中から旧友との2人写真が続き、パタンと閉じ、溜息を吐く。
    (……絶対、娘がいい)
     そして奴より多く家族で撮ると心に決めた。

    ・・・

    【困る】
    「君が悪い訳ではない」
    「だったらどうして避けるんですか?」
     言い淀むと更に問い詰められる。
     上目遣いの瞳。昨夜、スカートを捲り男を誘惑する女の映像に重ね見た、快楽に耽る彼女の幻と、自らの愚行を思い出さずにいられない。
    (言える訳ないだろう)
     服に隠れた肌がじっとり汗ばんだ。


    【海】
     かつて高校時代の修学旅行と生徒達の合宿への同行で来た地。年月が経ち、また訪れるとは。
    「……これじゃ水着が着れないじゃないですか」
     鏡を覗き込み、至る所に痕の残る肌に唇を尖らせる唯に、「すまない」と笑い、「だが」と彼女をベッドに連れ戻す。
    「こちらで泳ぐのも、君は好きだろう?」


    ━━━━━━━━━━


    【○○を使わない140字小説お題】https://shindanmaker.com/430183
    (誕生日、片想い、交渉決裂、運命の出会い、鼓動、困る、蛇足、子ども、あかりを灯す、自由、海)

    【少し甘めの?140字SSお題】https://shindanmaker.com/1049996
    (そこがいい、優しい言葉、今から30分で)

    【140文字で書くお題ったー】https://shindanmaker.com/375517
    (どうにかなってしまいそう)

    【Special Thanks】
    芹香さん(自由…一言目の台詞拝借、困る…妄想ネタ便乗)
    めめさん(困る…リプでいただいた台詞を拝借)
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