Reincarnation「好きです。ハンク。」
「どうしたコナー?何処かに頭のネジでも落としてきたか?」
初めての告白は信じて貰えなかった。
「ハンクが好きなんです。」
「ありがとよ。俺も好きだぜ相棒!」
二度目は相棒以上の返事は貰えなかった。
「ハンク、私はいつも貴方を想っています。」
「お前も物好きだな。こんなじじい口説いて何が楽しいんだか…」
三度目は呆れつつ軽く流された。
「ハンク、貴方とハグしたい。」
「なんだ?寒いのか?温めてやるからこっち来い。」
四度目は恋愛ではなく友愛のハグだった。
「好きですよ。キスしても?」
「おやすみのキスを強請るなんてお子ちゃまだな。」
五度目は家族への挨拶のキスだった。
「貴方を愛しています。」
「お前意味分かってんのか?冗談でもタチが悪いぞ。」
六度目は何故か怒られた。
「ハンク、僕の〝好き〟は恋愛感情の〝好き〟なんです。」
「コナー…まだお前は狭い世界しか見ていない。もっと相応しい奴が見つかるさ。」
七度目は静かに諭された。
「好きです。ハンクとキスしたい!ハグしたい!SEXしたい!俺は本気です!」
「馬鹿な事言うんじゃねぇ!俺とお前は違う生き物だ!許されることじゃないんだよ!」
八度目は怯えたように避けられた。
「ハンク…ごめんなさい…愛しているんです…」
「やめろ!それ以上言うな!」
九度目は拒絶だった。
そして十度目。私はハンクに愛を伝える事をやめた。
「コナー…俺が嫌になったのか?」
「何故そう思うのですか?」
貴方が拒絶したクセに。
「あんなに…いや、何でもない…」
「言って下さい。」
「コナー?」
「言って下さい。お願いだ、ハンク。」
私が今までどんな気持ちだったのか貴方は知らないでしょう?
「…あんなに、あんなにアプローチしてきてたのは何だったんだ!?なんで今回は…コナー…」
「……。」
「お前までいなくなっちまったら俺は…!」
さあ貴方の本心をぶちまけて。
「お前のことを愛してるんだ…」
ああ、やっと堕ちてきてくれた。他のコナーが出来なかったことをやり遂げたのだ。もう貴方は60のもの。
「私は何処にもいきません。愛してますよ、ハンク。もう一生離さない。」