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    WA_SAB1

    DBH沼に生息するコナー推しの薬味。
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    WA_SAB1

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    WDにすら間に合わなかったVD話。
    9ギャだけどギャ9の匂いもする。
    前半はギャビ視点。後半はナイン視点。
    ハンコナ/コナハンも出てくる。

    #DBH
    #9ギャ
    9Gah.
    #ギャ9
    #ハンコナ
    hankona.
    #コナハン
    konahan

    レビュー★★★★★真っ昼間のカフェテラスで溜息をつく二人組。一人は髭を蓄えた柄シャツの大男。もう一人は鼻に傷がある目つきの悪い男。とにかく目立つ二人はテーブルを挟み歪み合っていた。
    「何が悲しくて非番の日までクソ野郎の顔拝まなきゃなんねぇんだ。」
    「こっちの台詞だ。貴重な非番にアル中じじいと一緒なんて…」
    「帰るぞスモウ。」
    名前を呼ばれ、足元で大人しく伏せていたセントバーナードが顔を上げる。腰を浮かせ帰ろうとするハンクを慌てて引き留めた。
    「待て待て!冗談だよ!」
    「呼び出したのはそっちだろ。その態度が気に食わねぇ。」
    このままでは本当に帰ってしまう。背に腹はかえられない。
    「お待ち下さい!警部補殿。非番にお呼び立てして申し訳ありません。どうか私の話を聞いて頂けないでしょうか?」
    頭を下げると視線の先にいたスモウと目が合う。利口な大型犬は尻尾を一振りし、また伏せの状態に戻っていった。椅子が軋む音がする。なんとか引き留めることに成功したようだ。
    「で?アル中じじい捕まえてまで話したいこととは何だ?」
    「悪かったって!話したいことは…まぁ、アレだ…バ…」
    「バ?」
    なかなか踏ん切りがつかず言い淀んだ。
    「……。」
    「……。」
    意外にも面倒見の良い上司はコーヒーを啜り愛犬を撫でつつ、此方が言い出すまで待ってくれている。しっかりしろギャビン・リード!拳を握り締め自身を鼓舞する。
    「ハンク…あんたはバレンタインどうするんだ?」
    「はぁ?バレンタイン? 」
    予想外のワードに口を開けて固まるハンクを直視出来ない。尋常じゃ無い手汗をズボンで拭った。

    事の始まりは五日前。
    たまたまナインとコナーの会話を聞いてしまったのだ。バレンタインは気合いを入れて準備していると熱弁するコナーの話に耳を傾けるナイン。一緒に準備しようと誘うコナーに「ギャビンは興味がないでしょうし…正直、兄さん達が羨ましい。」と小さな声で呟いた。哀しそうに笑った顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。イベント事に興味が無いのは事実。ただ、恋人にあんな顔をさせるぐらいなら、バレンタインでもクリスマスでもドンと来い!程度の漢気は持ち合わせている。バレンタインのサプライズを計画するも、肝心のプレゼントが決まらずここ数日ずっと頭を抱えていた。身近にいる人間で恋人がアンドロイド。相談出来る相手は一人しかいなかった。

    「何がいいのか検討もつかないんだよ…食いもんは無理だろ?アンドロイドは何貰ったら喜ぶんだ?」
    「アンドロイドで一括りにするのもどうかと思うがな。定番のチョコが駄目なら、直接本人に欲しい物聞いたらいいだろ?なぁ、コナー。」
    「はい。ハンク。」
    いつの間にかハンクの背後に待機していたコナーが返事をする。恋人そっくりなアンドロイドの登場に心臓が飛び出るかと思った。
    「な、なんでテメェが居るんだ!」
    「僕を差し置いてハンクと二人きりになんてさせる訳ないでしょう!で?今からナインを召喚しましょうか?」
    「や・め・ろ!」
    こめかみのリングに手を当てたコナーに掴みかかり大声を出してしまった。ここは真っ昼間のカフェテラス。周囲の冷ややかな視線が突き刺さる。パッと手を離し静かに着席した。
    「本気で呼び出すとでも?僕が可愛い弟へのサプライズを邪魔するはずないでしょう。ハンクへのサプライズをバラされた仕返しですよ。」
    「いや、コナー。全部知ってたぞ。」
    「…クソプラが。」
    コナーを睨みながら吐き捨てた。同じ顔なのに何故こんなにも性格が違うのか。相棒がナインで本当によかった。
    「もうその辺にしとけ。因みにコナー、お前は何が欲しい?」
    再びゴングが鳴りそうな中、痺れを切らしたハンクが割込みコナーに問う。
    「僕はハンクに『好きだ』と言って貰えるだけで嬉しいですよ。変異していてもアンドロイドには変わりありません。物欲はほぼないと思って下さい。アンドロイドの性と言いますか、尽くされるより尽くしたいタイプ?」
    「それじゃあコイツの問題は解決しないだろ…」
    相談する相手を間違えたかもしれない。肩を落とし、もう帰ろうかなとコーヒーを飲み干す。カップを置くのを見計らっていたのだろうか、コナーが独り言のように語り出した。
    「愛する人から貰えるものは全て嬉しい。アンドロイド同士なら触れ合うだけで意思疎通は簡単に出来ます。でも人間とでは違う。人間の感情は複雑すぎて僕達には分からない事だらけなんです。だから言葉で気持ちを伝えて貰えるととても嬉しい。愛の言葉なら尚更ね。何物にも代えがたいデータ宝物になるんだ。」
    先程とは打って変わって真面目に答えるコナーの目は確実に尋問モードになっていた。値踏みするかのように、じっと此方を見ている。追い込まれた犯人の気持ちを無理矢理体感させられ居心地が悪い。
    「ねぇギャビン。君は普段からナインに好きだと伝えてるかい?まさか態度で示しているから大丈夫、なんて馬鹿な事考えてないですよね?」
    「……。」
    「もしかして何も言ってねぇのか!?」
    渋々頷くと呆れた顔で溜息をつかれた。しかも二人揃って。腹立つな。
    「プレゼント云々以前の問題ですね。素直に気持ちを伝えればいいんですよ。何よりも喜ぶはずです。」
    「それが出来てたらハンクになんか相談してねぇよ!」
    「ホント失礼な奴だな。コナー、あれ使えるんじゃないか?」
    「ええ、僕も同じ事を考えていました。」
    ド正論を突きつけられ悪態をつくが、二人は気にもとめず話し込んでいる。
    「よく聞け。アンドロイドが食べられるチョコってのを手に入れられるかもしれない。」
    「はぁ?アンドロイドは食事不要だろ。そんな怪しいもん食わせられるかよ!」
    そんな物があるなんて聞いたことすらない。出処不明なチョコレート?それを大切な恋人に食べさせる?絶対に駄目だ。
    「純正の中の純正。カムスキー氏が作った発売間近の試作品です。」
    イライジャ・カムスキーの名を出され信用度が少し上がった。何せアンドロイドを作った本人なのだから。
    「僕も少し舐めてみたのですが、異常はありませんでした。至って普通のBBブルーブラッドですよ。」
    ペロッと出した舌を指差すコナー。
    「お前はまた!何でも口にするなって言ってるだろ!」
    「ひゃめてくだしゃい!」
    頬を抓られているにも関わらず、コナーはだらしない顔でハンクに絡む。イチャつき出した二人に冷めた視線を送った。兄機体のコナーが大丈夫ならナインが食べても問題ないだろう。
    「で、そのチョコはどうやって手に入れるんだよ?」
    「簡単です。カムスキー氏はモニターを探しています。誰が、どういう用途で、どんなアンドロイドに送るか、が知りたいそうです。要するに、僕の質問に正直に答えるだけでチョコレートが手に入る。」
    ハンクにヘッドロックをかけられたままのコナーがウインクしてくるが、全然格好がついていない。長くなりそうだ。早く帰りたい気持ちを抑えつつ二杯目のコーヒーを頼んだ。

    「では尋問、おっと失礼。質問を始めます。」
    コイツ絶対楽しんでるな。売られた喧嘩は買う主義だが、ナインの為にぐっと耐える。
    「ギャビン、貴方はナインが好きですか?」
    「……好きだ。」
    「何故好きだと伝えないんです?」
    「初めてなんだよ…」
    「初めて?まさか童てi「待て待て!コイツのそんな情報知りたくねぇ!」
    割って入ってきたハンクは素面にも関わらず吐きそうな顔をしている。
    「違ぇわ!今まで付き合った奴はいるが、身体だけの関係だった。」
    「最低だな。」
    「最低ですね。」
    ハモるな。ゴミを見るような目でこっちを見るな。
    「同意の上に決まってんだろ!相手も深い付き合いは望んでなかった。お互い都合のいい関係だったんだよ。」
    「では、初めてとは?」
    「…初めて好きになった。今までは恋人なんて出世の邪魔にしかならないと思ってた。」
    これは本心だ。出世することにしか興味がなかった自分の前に現れたアンドロイド機械。無理難題を押し付けても、どんなに邪険に扱おうとも、傍を離れず献身的にサポートしてくれるナインにいつの間にか絆されてしまった。もうただのアンドロイド機械としては見れないくらいに。
    「心から好きだと思った奴はナインが初めてなんだよ。初めてだからどうすれば…」
    「大切故にどう扱っていいか分からないんだな?意外に可愛い所あるじゃねぇか。」
    最後まで言い切れなかった言葉をハンクが繋ぐ。まるで我が子の成長を喜ぶ親のような穏やかな表情だ。
    「僕は今まで貴方のことをクソ野郎だと思っていました。認識を改めます。純情クソ野郎に昇格しました。おめでとうございます。」
    心のこもっていない拍手を贈られ中指を立てる。
    「全然めでたくねぇわ!笑いたけりゃ笑えよ!いい歳した大人がティーンみたいな恋愛ごっこしてるってな!」
    よりにもよって大嫌いなコナーに恋愛初心者なのがバレた。もうやけくそだ。
    「笑いませんよ。」
    「たとえ普段の態度が悪くても、本気で恋人を想っている奴を笑う気にはならんな。」
    馬鹿にされると身構えていた身体から力が抜けていく。
    「先程も言いましたが、『好き』その一言だけでいいんです。素直に気持ちを伝えましょう?」
    「恥ずかしいならハグしながら言ってやれ。きっとあのポーカーフェイスが崩れるぞ。」
    もし好きだと伝えたら、破顔するナインが見れるだろうか。綻ぶ笑顔が見れるだろうか。
    「改めて問います。ギャビン、貴方はナインの事をどう思っていますか?」
    「俺は───」



    2/14。世間はバレンタイン一色だが事件が減るわけではない。朝から駆けずり回り、帰宅したのは深夜だった。シャワーを浴びた後、軽食を摂っていたギャビンが徐に立ち上がりリビングを出る。暫くして戻ってきたギャビンの手の中にはリボンの掛かった箱があった。
    「時間ギリギリで悪いな。バレンタインだ。受け取れ。」
    「バレンタイン?」
    咄嗟に受け取った箱をスキャンする。爆発物ではないようだ。戸惑っていると鼻の傷痕を掻くギャビンと目が合った。彼が照れている時にする仕草。
    「…いらなかったか?」
    「いえっ!いります!ありがとうございますっ!」
    思わずクソデカボイスで返事してしまい慌てて口を押さえると、ギャビンは「うるせぇよ。」と笑みを零した。今まで見た中で一番優しい顔かもしれない。
    「これは…」
    「アンドロイドでも食べられるチョコだそうだ。」
    箱の中にはキラキラ輝くダークブルーの結晶が並んでいた。
    「食べても?」
    「もうお前のモノだから好きにしろよ。」
    相変わらず素直じゃない恋人に苦笑しながら、Ⅰと刻印されたチョコレートを口に含んだ。違和感を察知するより先にノイズが走る。新手のウイルスかもしれない。恋人がくれたチョコレートに完全に油断していた。自己再生プログラムを作動するが、時すでに遅し。視覚と聴覚モジュールがジャックされ、視界には恥ずかしそうに言い渋っている恋人の姿が現れた。

    Ⅰ『……好きだ。』

    パッと視界が切り替ると心配そうに覗き込んでいるギャビンの顔があった。先の言葉が頭の中でリフレインしている。
    「どうした?やっぱ口に合わないか?無理するなよ。」
    「大丈夫です!食べます!食べたいです!」
    ギャビンがくれたプレゼント。例えウイルスに犯されようが絶対に完食する。次のチョコレートを口に放り込むと、同様にジャックされ視界の中の恋人が語りかけてくる。

    Ⅱ『初めてなんだよ…』

    「そんなに気に入った?」
    「ええ、とても。」
    何だこれ、続きが気になる。ギャビンの言動から彼が細工したとは考えにくい。まず彼にこんな技術はない。改めてスキャンしてみると蓋の内側にシリウムで書かれたメッセージを発見した。
    “感想待っているよ。イライジャ・カムスキー”
    “Happy Valentine! 順番に食べてね。 C&H”
    と書かれている。成程。我らの創造主と兄達が関わっているなら納得だ。
    「ここ、すげー点滅してるけど…本当に大丈夫か?」
    「初体験なので少し処理が遅れている様です。これが食事なんですね。不思議な感覚です。」
    三つ目のチョコレートに手を付けた。

    Ⅲ『初めて好きになった。今までは恋人なんて出世の邪魔にしかならないと思ってた。』

    恋人は邪魔。その言葉に掻き乱される。
    「あのな…お前に伝えたい事があるんだ。」
    「伝えたいこと?」
    突如伸びてきたギャビンの手が箱を取り上げテーブルに置く。そのままディープブルーの結晶を一つ摘み上げ、四つ目のチョコレートが口元に届けられた。ペロリと彼の指先も一緒に舐めると心地良い遺伝子情報で満たされる。

    Ⅳ『心から好きだと思った奴はナインが初めてなんだよ。初めてだからどうすれば…』

    好き。愛おしい。切ない。嬉しい。
    感情がぐちゃぐちゃに混ざり合い、幾ら検索しても適切な言葉が出てこない。シリウムポンプは激しく脈打ち破裂寸前だ。思案しているとギャビンの顔が近付いてくる。口移しで与えられた最後のチョコレートは何故か甘く感じた。

    Ⅴ「『俺はナインを愛してる。』」

    実物のギャビンと視界のギャビンが重なった。
    「ギャビン!ギャビン!」
    ギャビンを抱き締めるが上手く力の加減が出来ない。きっと苦しいだろうに、背中に手を回し応えてくれる。
    「ちゃんと伝えてやれなくて悪かった。」
    「貴方の愛情は理解しているつもりです。でも言葉を貰えることがこんなにも嬉しいだなんて思いませんでした。私も!私もギャビンを愛してる!」
    「ナイン、お前そんな顔も出来るんだな…」
    一体どんな顔だろう?視線が交わるとモジモジと恥ずかしそうに逸らそうとするギャビンの顎に手を添える。火照った頬に潤んだモスグリーンの瞳。堪らない。吸い寄せられるように深いくちづけを贈った。
    「今夜は貴方を抱きたい。抱かせて欲しい。」
    「仕方ねぇな。抱かれてやるよ。」
    ニヤリと笑いベッドルームへ誘うギャビンは誰よりも綺麗で男前だった。




    〝大切なアンドロイドへ贈りたい〟
    アンドロイドの生みの親、イライジャ・カムスキー氏が立ち上げた新ブランドを独占取材!
    「アンドロイドの為の専用食品ブランドとのことですが、ブランド立ち上げの経緯をお伺いしても宜しいですか?」
    「ご存知の通り人間には三大欲求が存在します。食欲、性欲、睡眠欲。アンドロイドは性交渉可能です。人間の睡眠とは少し違いますが、スリープモードというものがあります。唯一、食欲に関する行動にあたるものはありません。人間を模して作られた彼らに、それがないのはおかしいと考え至ったのです。無いなら作ってしまえばいいと。」
    「アンドロイドに不要なものを敢えて作る意味は?」
    「食事は我々人間にとって生命維持の為に必要なものです。そして食は楽しみであると同時に、感覚を共有する手っ取り早い手段。相手の好みを知ったり、食事で交流を持つ事も出来る。もし貴方が食事中、家族や友人が背後で棒立ちだったらどう思いますか?」
    「それは嫌ですね。気まずいと言いますか…」
    「アンドロイド法が可決され、彼らが我々人間の家族、友人、更には恋人という存在になるまでそう遠くないでしょう。実際に私の知り合いにいるからね。同じテーブルで同じように食事行動出来ればより素敵な関係が築けるのではないでしょうか。」
    「成程。最後に一つお伺いします。アンドロイドには味覚は備わってないとの事ですが、此方の食品には味が付いているのでしょうか?」
    「商品自体に味は付いていません。約99%はBBブルーブラットです。ただ、ちょっとした仕掛けがありまして、残りの約1%にナノマシンを配合しました。ナノマシンを取り込むことで事前に登録したデータが味として表現されます。」
    「事前に登録とは?」
    「例えばこのチョコレート。このまま取り込むと固形になったただのBBです。アンドロイドの口内センサーが反応し瞬時に液体化、その液体を情報媒体にしました。事前に動画か音声を登録しておけば、アンドロイドにはこのように再生されます。」
    カムスキーの手元の端末には女児が映し出された。女児は笑顔で此方を見つめてくる。
    『美味しいね!これからも一緒に食べようね!』
    「このようにメッセージや食事の感想などを事前に送って頂いたデータをナノマシンに組み込み、当ブランドの食品を摂取したアンドロイドへ自動再生される仕組みです。勿論、登録なしでも食べることは可能ですし、使用済みのナノマシンは排出されるので機体に負荷はかかりません。安全性も確認済みです。」
    「それは面白いシステムですね!」
    「先日、知り合いのアンドロイドにモニターになって頂きました。彼の商品レビューはHPに掲載しております。」
    「とても興味深い!本日はお忙しい中ありがとうございました!イライジャ・カムスキー氏の新ブランド情報は公式HPからご覧になれます。」


    No.9さん:変異歴一年、警察署勤務。
    >バレンタインに恋人から何も知らされず此方のチョコレートを頂きました。
    いつも彼からたくさんの愛情を貰っています。ですが、シャイな彼の口から愛の言葉を貰ったことはありませんでした。そんな彼がバレンタインにチョコレートを贈ってきたのです。イベント事に無頓着な彼が。アンドロイドでも食べれるチョコレートだと。箱の中には星空のようなチョコレートが綺麗に並んでいました。初めは私も少し疑いましたが、出処がカムスキー氏だと知り食べてみることに。ディープブルーのチョコレートは口に入れた瞬間、液体に変わりました。普段摂取しているBBとほぼ同じです。ただ、摂取してから0.9秒後に視界が切り替わりました。視界に現れたのは恥ずかしそうにしている彼。映像はたった数秒でしたが、シャイながらも必死に愛の言葉を贈ってくれる彼にシリウムポンプが爆発するかと思いました。一粒毎に違う言葉で愛を伝えてくる視界内の彼。このあとどうなったかは皆さんのご想像にお任せします。
    後々聞いた話ですが、彼はサプライズにかなり悩んでいたようです。食べることが出来ないアンドロイドに定番のチョコレートは贈れない。確かに私たちアンドロイドには“食べる”という機能はありません。しかし、食べる楽しみを共感することは出来る。彼からの告白は勿論ですが、彼と同じ体験を共有出来たことをとても嬉しく思いました。人間は誕生日や結婚記念日、クリスマスなど特別な日に特別な料理を準備します。そこにアンドロイドの料理が並び、談笑する。そんな日常が送れるといいですね。
    もし貴方に大切なアンドロイドがいるのであれば、一緒に食事をしてみてはどうでしょう。
    長くなりましたが、皆さんに幸多からんことを。

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