【ディアスタ】推薦状ディアマンド: 「私は伴侶には信頼できる者を選びたいと思っている」
スタルーク: 「……わかりました」
(僕に探させようということですね。 貴方はなんて残酷な人なんだ。 でも、嫌いになんてなれるはずがない。)
一時的にでも恋人ごっこができただけで僕は幸せでした。貴方がよき伴侶を見つけられますように。
涙を堪えてペンを走らせる。うっかりこぼして書類を濡らさないように気をつけながら。
僕にできないことができる女性こそが、兄上に相応しいのは明らかなのだから。
涙を拭いながら何人かの推薦文を書き終える。
最後に1枚、名前を書いて立ち止まる。ほぼ白紙の紙をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に投げ捨てた。
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戴冠前のある日、ディアマンドは「伴侶には信頼できる者を選びたい」と口にした。
その言葉を、スタルークは黙って受け止めたという。
後日、彼から提出された「適任者一覧」は、詳細な記録と推薦文で埋め尽くされていた。
その筆跡には、いくつか涙の跡がにじんでいたとも言われている。
最終的に選ばれたのは、もちろんそのリストの筆者だった。