Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    kmasaki_takiyam

    @kmasaki_takiyam

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 2

    kmasaki_takiyam

    ☆quiet follow

    じゅじゅ。
    謎平和時空。
    悠二と宿儺が双子設定。
    悠二と伏黒と宿儺が高専生徒、五条は先生です。

    五月某日、快晴。
    弁当包み片手に教室を出た悠仁は校舎傍の木陰のベンチに腰を下ろした。
    ついてきていた恵も何も言わずに隣に座る。
    ガサガサとコンビニの袋からサンドイッチを取り出す恵に対して、悠仁は膝の上で弁当の包みを解いた。
    中から現れた弁当箱は二つ、まったく同じそれの一つを横に置き、一つを膝に乗せて蓋を開ける。
    ご飯が七割、おかずは茶色主体で彩りはない。けれど、悠仁お手製のそれが、そこらの弁当屋より美味いことを恵は知っていた。
    卵サンドを齧りながら、ふんわり巻かれた卵焼きが悠仁の口に放り込まれるのを見るとはなしに見ていると、ん、と卵焼きが一切れ差し出された。
    悠仁の箸からパクっといただき、代わりに卵サンドを差し出してやる。
    バクっと齧られて半分くらいになった卵サンドを眺めて、改めて一口デカいなと思う。
    「やっぱ、青空の下で食うといつもより美味い気がするな」
    「ああ」
    悠仁に釣られて空を見上げると、葉の隙間からこぼれる陽光が目に刺さった。
    出汁の効いた卵焼きをゴクンと飲み込み、手に残った卵サンドを二口で食べる。
    いつもの卵サンドだが、たしかにいつもより美味い気がした。
    次のミックスサンドを開けながら、脇に置かれた弁当箱に目をやって恵が尋ねる。
    「そっちの弁当は宿儺のか?」
    「ああ。この前の任務の報告とかで五条先生に呼ばれてた。もうすぐ来るんじゃないかな」
    「そうか」
    悠二の向こうに置かれた弁当箱。
    恵の隣には人が座るほどのスペースはない。
    となれば、宿儺は悠二を挟んで恵の反対側に座るだろう。
    手の届く範囲にいると顔やら肩や腰やら、色々と触ってくる宿儺だが、間に悠仁がいればそれもないだろうと恵は胸を撫で下ろす。
    嫌ではないが驚くし、困るのだ。
    悠二は宿儺に同じことをされても動じていないが、常日頃から宿儺とひっついているせいで距離感がおかしくなっているんだと恵は思う。
    ミックスサンドを悠仁に差し出すと、バクっと一口、やっぱり半分くらい遠慮なく齧られる。
    代わりに口元に差し出されたのは唐揚げひとつ。一口サイズというには大きいそれを、恵はなんとか口に収めた。

    「ちょっと、急に止まんないでよ」
    校舎の出口、悠二の姿が見えたと思った矢先にすぐ前を歩いていた宿儺が足を止めた。
    ドンっと、わざとぶつかりながら文句を言った悟だが宿儺は何も言い返さないし、足を動かすこともない。
    「もう、悠二が僕を待ってるのに、なんなんだよ、ほんと、お前、邪魔」
    「貴様なぞ待っているはずがなかろう。悠二が待っているのは俺だ」
    「ならなんで止まるわけ?嫌がらせ?」
    宿儺の脇を通り過ぎようとした五条の腕を宿儺が掴む。
    「まあ、待て」
    「はあ?」
    手を振り払いながらも足を止めて宿儺が見ている先に目を向ける。
    そこには五条の教え子である悠二と伏黒がベンチに並んで仲良く昼飯を食べている。
    お互いの弁当とサンドイッチをシェアしながら、ポツポツと何かを話しながら、笑い合って。
    「あー、……可愛いな」
    悠二にあーんしてもらっている恵が羨ましいのも事実だが、平和に青春している二人を見ると眺めていたくなる気持ちもわかった。
    宿儺が止めていた足を動かすと、五条もそれに続いて青空の下に出る。
    「貴様は来なくていい」
    「えー、悠二と分けようと思ってプリン買ってきたし、なんなら恵とお前の分もあるのにー」
    言い合いながら近づくと、気づいた二人が手を振って迎えた。
    「一緒に飯食おうぜ」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💯
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    kmasaki_takiyam

    TRAININGじゅじゅ。
    謎平和時空。
    悠二と宿儺が双子設定。
    悠二と伏黒と宿儺が高専生徒、五条は先生です。
    五月某日、快晴。
    弁当包み片手に教室を出た悠仁は校舎傍の木陰のベンチに腰を下ろした。
    ついてきていた恵も何も言わずに隣に座る。
    ガサガサとコンビニの袋からサンドイッチを取り出す恵に対して、悠仁は膝の上で弁当の包みを解いた。
    中から現れた弁当箱は二つ、まったく同じそれの一つを横に置き、一つを膝に乗せて蓋を開ける。
    ご飯が七割、おかずは茶色主体で彩りはない。けれど、悠仁お手製のそれが、そこらの弁当屋より美味いことを恵は知っていた。
    卵サンドを齧りながら、ふんわり巻かれた卵焼きが悠仁の口に放り込まれるのを見るとはなしに見ていると、ん、と卵焼きが一切れ差し出された。
    悠仁の箸からパクっといただき、代わりに卵サンドを差し出してやる。
    バクっと齧られて半分くらいになった卵サンドを眺めて、改めて一口デカいなと思う。
    「やっぱ、青空の下で食うといつもより美味い気がするな」
    「ああ」
    悠仁に釣られて空を見上げると、葉の隙間からこぼれる陽光が目に刺さった。
    出汁の効いた卵焼きをゴクンと飲み込み、手に残った卵サンドを二口で食べる。
    いつもの卵サンドだが、たしかにいつもより美味い気がした。
    次のミックスサン 1435

    recommended works