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    きみどり

    @kimi_0812

    かきかけ途中のログ投下場所なので、完成したものはpixivに体裁整えてまとめています。
    詳しい事はプロカを見て下さい。
    TRPGは全部ワンクッション入れているので、閲覧は自己責任。
    リンク一覧:https://lit.link/gycw13

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    きみどり

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    FUSION UNITの衣装について、茨とプロデューサーちゃんの2人があれこれ話すだけ。
    プロデューサーちゃんは外見こそあんずちゃんに準じてますが、中身はすげー別物です。

    ##小ネタ

    情緒めちゃくちゃになったこの怪文書(https://privatter.net/p/7525303)をもうちょっとまともな形にしたやつ。



     6周年を祝う様々な企画がスタートした中のひとつ、SHUFFLE企画とはまた違った『新たな試み』と言われたFUSION UNIT。

     楽曲お披露目から数日後、七種茨のホールハンズに『Help』というスタンプが送られてきた。
     今日は終日デスクなので事務所に居ますよ、と返す。程なくして、大量の資料が詰まった鞄をいくつも抱えた制服姿のプロデューサー殿が目の前に立っていた。

    ***

    「とりあえず、お茶でも飲んで落ち着いて下さい。話はそれから聞きますよ。あぁ、時間が惜しいというのであれば、先に資料だけでも見せて下さい。目を通しておきます」
     コズプロの事務所の一角、簡易応接スペースにとりあえず移動をして、互いに腰を下ろす。お茶の入ったグラスを傾ける前に、やたら分厚いファイルを取り出し自分に手渡してくる。重ッ……いや、自分の専用衣装を作る時にも見たはずだが、それの比じゃない。ファイルの表紙には『FUSION UNIT衣装(Switch×Eden)』と書かれていた。なーんで、あっちのユニットが先なんだ。

     パラパラとページをめくり中身を確認すれば、各ユニットの衣装の特徴、類似点、相違点、どのように組み合わせ=FUSIONすれば効果的か、様々なメモ、アイデアの走り書きで溢れている。
     アイデアの洪水に触れ、つい口元が緩んでしまったのだろう。七種くん、楽しそうな顔してるね、と一息ついて落ち着いたプロデューサー殿に言われた。見られていたのに気付けなかった。何たる失態。
    「で、自分に連絡があったという事は、何かしら相談ごとですか?」
    「えぇ。はい、はい……そうなんです……。ビッグ3のEdenの敏腕プロデューサー様のお知恵をお借りしたく……」
    「大丈夫です? 相当根詰めてません?」
    「もう何が良いのか分からなくて煮詰まってきたので、他人からアドバイス貰いたいんです……。辛口、というか、指摘してくれる人ってあまり居なくて……本当にこれでいいのか不安になるんですよね」
    「それを聞いて、自分が素直に指摘すると思います? 何なら褒め殺しもできますよ?」
    「七種くんは、しないと思うなぁ」
    「その根拠は?」
    「Edenの皆が袖を通す衣装だから。そんな大切な衣装が中途半端な仕上がりなるなんて、七種くんは認めるはずが無いから」
     そう言い切った真っ直ぐな瞳は、俺の対抗心に火を付けた。
    「分かりました。プロデューサー殿がそこまで言うのでしたら、徹底的に! とことん! 気が済むまでお付き合いしましょう! ちなみに、学院から慌ててESに来たみたいですが、予定はいかがでしょう?」
    「プロデューサー科との打ち合わせが何件かあるけど、FUSION UNITの案件は最優先って許可出てるので、時間は大丈夫です。空いてます」
    「先程、コズプロの会議室を終日抑えました。移動します」
    「はい!」

    ***

     七種茨は猛烈に葛藤していた。
     FUSION UNITとして組む相手……Switchらしさはこの表現が最適解だと、自分の中でも答えが出ている。Edenらしさも勿論残っていて、それぞれのユニットが着てもそれぞれの「らしさ」を感じるだろう。
     専用衣装を作成する時にも感じた、相手を徹底的に分析して、これでもかと言わんばかりに欲張りなデザインをぶつけてくる、その集大成にも見えた。いや、彼女にとってここはゴールではなくひとつの通過点にすぎないのかもしれない。
    「色……色ですかねぇ……」
    「色ですか?」
    「いくつかパターンを出して頂いてますが……んん……」
     デザイン画のひとつに再度視線を落とす。ジャケットのデザインはEden、衣装の色や配色はSwitch。
     他のメンバーがこの衣装に袖を通したらどんな風になるのだろう、と考えるのは楽しい。それを自分が、と思うと鳥肌が立つ。自分自身が把握し理解している七種茨に白い衣装なんて以ての外だ。
    「自分がこんな白い衣装を身に纏うなんて、おこがましいにも程があるなぁ……と。しかし……」

    ーしかし……そう。もし、叶うのなら

    「白い衣装を着た、閣下が見たい」
    「白い衣装を着た、凪砂さんが見たい」





    「…………プロデューサー殿、めちゃくちゃ私情挟んでいますけど、プロデュースに問題ありませんかぁ? あと心読まないで下さい」
    「七種くんこそ。凪砂さんが着ることになれば、七種くんだって着るんだよ?」
    「は……?」
    「その『自分関係ないんですけど?』っていう顔やめて欲しい。笑っちゃうからw」
     結局堪えきれずに笑いながら、プロデューサー殿は広げた資料を少しずつまとめる。気付けば、そろそろ日が暮れてくる時間になっていた。企画書やデザイン画の束を握りしめながら、まだP機関とか、それぞれのリーダーとかに見てもらわなきゃいけないんだけど折角の機会だからね、やりたい事は全部詰め込みたいんだ。そう言って、自分に衣装のデザイン画を渡し、初回の打ち合わせを終えた。


    「七種くん、本当にありがとう。色々と貰った案、このまま通るか分からないけど、頑張ってみるね!」
    「……通して見せますよ。多少無茶な企画でも」
     やりたい事を詰め込むのは、プロデューサーだけではない。アイドルだって、そうだ。互いのやりたい事を詰め込んだ企画が成功したら、それは何者にも変え難い体験と経験になる。
    「プロデューサー殿はお忘れですか? 最初に選ばれた2つのユニット……四大事務所の副所長が2人も居るんですよ? 大抵の事はどうにでもなります」
    「そ、それは、職権乱用ってやつなのでは!?」
    「使えるものは存分に使えばいいんですよ! コネや人脈だってそうです。プロデューサー殿、貴女は十分強かだ。だからこそ、もっと貪欲に! もっと効率的に! もっと効果的に! 人を使うことを覚えれば、それがまた貴女の糧のひとつになる」

     あのSS……ウィンターライブの時に感じた舞台の熱さ、輝き、歓声……。ひとつのユニットでは、作り上げることの出来ない夢の舞台。

    「自分とプロデューサー殿、互いに最高のプロデュースをしたアイドル同士で競い合う! 自分は……あの夢の舞台を再び、味わいたいんですよ」
    「その気持ちは、私も同じ。また、ぶつかりたい……!」
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