半同棲れおはる(休日の三度寝の話) なんとなく、やる気が出ない日というものがある。
前日に何かあったわけではない。昨晩はそこそこの時間に就寝した。夢見が悪かったわけでもない。ただ本当に『なんとなく』としか言いようのない気怠さのせいで、朝の目覚めがすこぶる悪い日がある。
週末土曜日の午前九時半。
ベッドで目覚めた今この瞬間が、遥にとってのそれだった。
意識はぼんやりとしていて、まだ目を開けたくない。瞼を開けることすら億劫だった。自分の体温で温まっている布団と慣れた匂いや柔らかさだけが心地好い。
日差しが漏れているカーテンから背を向け、ベッドに体を沈めたままうだうだと時間を過ごす。
昨晩泊めてくれた部屋の主は、きっと一時間ほど前に目覚めている。隣で寝ていたはず姿はどこにも見当たらないが、扉を隔てた隣の部屋から微かな物音が聴こえていた。
1982