1/fゆらぎ シノの形を確かめるように皮の上から一本、また一本と肋骨を撫でさする。豪快に彼に飲み込まれていく食物は一体どこへ消えて行くのか、彼の身体は十七になっても華奢なままだった。
先程まで求め合っていた肌はいつもと比べ、しとりと濡れていて、ヒースクリフの指は凹凸を余すことなく辿り、ゆっくりと下降していく。
ちらりとシノの様子をうかがうと、ぼうっとヒースクリフの手元を目だけで追っていた。
骨をなぞりきった先には程よく締まった腹があった。深い呼吸に合わせて浮き沈みする様がなんだか興味深く、手のひらをあてて重さを預けてみる。しばらく自分の手も一緒に上下させてもらっていると、シノのリズムが手に馴染んだ。
ずっとこのままでいれたらいいのにと、親指で腹をすりりと撫でた。
「さっきからなんだよ、くすぐったい」
「はは、よかった」
「よくない。 ……撫でるならちゃんと撫でろ」
どうやら、今夜は一人で寝ずに済むようだ。