再会の夜にチッ……チッ……チッ……チッ……
時計が秒を刻む音が静かに響いている。
窓の外はすっかり暗くなっていて、どれだけ時間が経ったかを
想像するのは容易かった。
さっきまで下校中の小学生の声がしてた気がしたんだけどなぁ……
そんなことをぼんやり考えながら、ふと机の隅に追いやっていたスマホを手に取った。
画面の真ん中に、新しいメッセージを知らせる大きめの通知。
それをタップすると、いつものメッセージアプリが開く。
『いま成田着いた!このままアトリエ行っていい?』
愛しい愛しい恋人からのメッセージ。
送信時間を見ると、30分程前だった。
小学生の頃からずっと一緒だった、ある意味幼なじみである柴八戒と恋人同士になって、もう10年。
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