🌹🍲死ネタ「カルエゴくん。一緒に死なない?」
バラムは明日の天気は何かなとでも言うようにさらりとカルエゴに向かって言ってきた。
「…唐突だな」
カルエゴはぱらりと本のページを捲り、文字を追いながら言葉を発する。
「んーどうせなら一緒に死にたいなって思ってね」
ダメかな?
そう言ってくるバラムにカルエゴは口角を上げた。
「いいだろう。で、どうやって共に死ぬんだ?」
「カルエゴくんが良いって言ってくれるとは思わなかったよ」
バラムは嬉しそうに笑うとカルエゴを抱き上げる。
「湖で一緒に沈もう」
「…お前も中々にロマンチックだな」
くすくすと笑いながらカルエゴは読みかけの本にバラムの羽根を挟みその首に腕を回した。
「よし、じゃあ行くよ」
バラムは羽根を出すと海まで飛んでいく。
「っ、シチロウ…いつもよりスピードが速くないか?」
「だって楽しみなんだもん!」
爛々と輝いた目でバラムはカルエゴに微笑む。
「そうか」
カルエゴはバラムの胸に顔を埋め安心したように頬を緩ます。
「着いたよ。さ、逝こうか。準備はいい?」
湖の真ん中に浮かぶとカルエゴにバラムは問いかける。
「嗚呼」
その返事にバラムは羽根を閉じるとギュッとカルエゴを抱きしめて丸まり湖に沈んでいく。
ぶくぶくと空気が水に溶けていく。
1度だけバラムが目を開けるとカルエゴも此方を見つめていた。
(同じ気持ちなのかな)
そのままカルエゴに口付け、強く強く抱き締めながらバラムは意識を飛ばしていった。
ーーー
先に逝ってしまったバラムを薄めに見てカルエゴはバラムの身体を抱きとめる。このままだとお互い離れて逝ってしまうことになるからだ。
自分ももうそろそろ逝くだろう。
(それはそれで良かったな)
バラムと共に逝ける事に感謝しながらカルエゴも意識を闇の中へと落としていった。