炎まずは木炭を探さねばなるまい、とエリザは思った。
せっかくならばそれが赤く眩しく溶けるように燃える姿を見たいと考えたからだ。
幸いエリザは14cmという身長であったので、彼女にとって手頃な大きさの木炭を探すことにさほど手間取らずに済んだ。
丁寧に掘り進める。まっすぐな鼻。柔らかな瞼。頬の美しい円形。滑らかな肌触り。
それは私の知る彼らの姿とは違う。
彼らはもっと歪つだった。
捉えがたい凸凹が彼らの身体を形づくり、掴めないうねりを言葉に纏わせ、気づけないくらい微かな匂いを残しながら動いていた。
私はその淀みにたゆたう感覚と時間だけを愛していた。
それはそれは美しく彫り込んでやった。やつらが言う通りにだ。
これを燃やさねばならない。最も強い炎で。この世の一番熱い場所で。他の何も目に入らないくらい眩しい光を放たせながら。最後に何も思い遺すものなどないように。取りに戻る気にならないくらい一瞬で終わらせなければならないのだ。
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