男3人で寝るにはあまりにも狭すぎるシングルベッド。壁の方から新、彰人、冬弥の順で、新と冬弥は彰人に抱きついている。何でこんな状況になったのかなんて、彰人の眠気でぼやけた頭は何も思い出してはくれなかった。
「東雲くん、もっとこっち来て。」
新が腰に回した腕の力を少し強めて、彰人の体を引き寄せた。そして、空いた手で彰人のふわふわとした猫っ毛を優しく撫でた。
「ん…」
意識がはっきりしている時の彰人なら、何するんだと手をはたき落としていただろう。しかし、眠気で脳がほとんど仕事をしていない今は、頭を新の手に擦り付けて、気持ち良さそうに目を細めた。
「ふふ、可愛い。」
新は愛しそうに微笑んだ。その様子を見た冬弥がむっとした表情になる。
697